セラピストは何をする人?(その1)

目安時間:約 4分

セラピストは何をする人?(その1)


 セラピストの役割は運動のやり方を教えることだ、指導することだと考えているセラビストは多い。


 そして起立なら、患者さんに「脚を後ろに引いて、頭を下げて棒を引っ張りながらお尻を挙げる」方法を指導する。もし出来ないと何度もこのやり方を繰り返す。


 上手くいかないときは「感覚を覚えさせるため」とズボンの後ろを持って引き上げ、介助で起立を行う。ひどい奴は、「頭を下げて!」と言いながら後ろから頭を下に押しつけ、お尻を持ち上げて「こうやるんですよ!」などと言っている。そして「もう一回!」とセラピストが正しいと思うやり方を繰り返し練習させる・・・・どうなんだろう、と思っていた。それで上手く行くこともあるが、上手くいかない患者さんではとことん上手くいかない。特に脳性運動障害では難しいことに何度も出会う。


 でもまあ、実際僕も若い頃は、セラピストの仕事は運動のやり方を教えることだと思っていたので、そんなことをやっていた。


 が、そのうちに違うのではないかと思うようになった。


 きっかけはある片麻痺のおじいちゃんで、分回し歩行をしながら歩いておられた。僕は何か指導しないと行けないと思い「脚をまっすぐに出して」と繰り返し言っていたのだが、そのうちにおじいちゃんはムッとして、「そがに偉そうに言うんなら、まずこの脚を治してみいや!治してくれたらおまえの言う通りにやっちゃるわい!治せもせんくせに、偉そうに言うな!」と一喝されてしまった。


  僕は頭の中が真っ白になった。ものすごいショックだった。言われてみれば「確かに!間違いない。マヒも治せない人間が、偉そうに無理な運動を強いただけ・・・では、どうしたら良いのだ」と思うようになった。


 若い頃はまだボバース全盛で、近隣でも再々そのアプローチの講習会が開かれていた。ボバースは中枢神経系に働きかけて、その機能を治すという。つまりマヒを治すということではないか!それでマヒを治せば、あのおじいちゃんも文句はあるまい!それで何度も習いに行ってみたが、どうもわからない。一時的な変化は見られるが、それ以上のことはない。毎日同じ変化を繰り返す。


 講習会で偉いインストラクターに聞くと、「一時的な変化でも繰り返すと持続的な変化に変わる」と言われて更に頑張ってみる・・・この頃の流行(はやり)は、変化がない場合は「自分の技術が未熟だから・・・」と自分を責めるのが一般的だったので、僕もそれなりに悩んだ。


 このままではダメだと思い、本格的に講習のコースを電話で申し込むが、二年待ちだと言われる。それでも申し込もうとしたが、今この長い待ち状態で申し込まれても困る、みたいなことを言われてその場は断念。対応した人の横柄な態度にも腹が立った(^^; ただその頃、ボバースをやっている友人から「まあ、やっていることで変化は起こせるが、マヒを治しているわけじゃない」という意見を聞いたりもする。その後ボバース批判を言う人が何人も出てきて・・・(その2に続く)



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