CAMRの姿勢・動作観察のスタート地点は、「人の運動システムは問題解決をしながら課題達成するという作動の特徴がある」ということです。
前回杖を体の前方遠くに突いて歩くのは、後に引っ張られるような感覚があり、後に倒れそうなので、前方に大きく基底面を作って重心がそこから飛び出さないように運動システムが問題解決を図っていると説明しました。
同様に脳卒中後に健側遠くに杖を突く人もおられます。これは運動システムが患側下肢の支持性に自信がないので健側下肢中心に荷重しているのかもしれません。あるいは患側上下肢共弛緩状態で患側へ重心が引っ張られているので、負けないように健側に広く基底面を作って重心を安定させているのかもしれませんね。
つまり基底面をどのように作るかというポイントを中心に観察するのは、基礎定位能力を見るときの大事な視点です。
基礎定位とは重力と支持面の間で身体を安心・安全の状態に維持する運動システムのもっとも基本的な能力です。
健康な人であれば通常歩いている時の歩隔はほぼ0㎝です。しかし基礎定位の問題があると歩隔は広がり、大きな人では肩幅くらい開いて歩いたりもされます。たとえば失調症の方はもっと広いスタンスをとられる方もいます。
また重心が高く不安定になりやすい立位介助を嫌がったり、抵抗されたりもします。杖歩行では2動作歩行よりも、常に2点で支える3動作歩行を好まれます。また広い廊下の壁際をわざわざ歩いたりもされます。すぐに手すりに頼ることができるからでしょう。重度になると横手すりよりは縦手すりを好まれます。全身ですがることでより安心できる立位保持ができるからでしょう。
他にも基礎定位能力の低下の程度に応じて様々な兆候が見られますので、まずこれらの知識を得てから観察を始めると非常に役立ちます。(その5に続く)

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