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「実りある繰り返し課題」を振り返る その3
~徹底的に振り返ってみよう(^-^)~
秋山です。前回の投稿にご質問いただき、自分の中で整理できていなかった部分に気づきました。ありがたいことです。というわけで、補足というか修正というか。
まず、「単純」という言い方はあまり適切ではありませんでした。「実りある繰り返し課題」を素振りに例えましたが、素振りを「単純」と言おうものなら、大谷翔平に「素振りをなめんなよ」と言われそうです(^^;)
私は訪問で仕事をしており、クライアントと対面できるのはせいぜい週1回なので訪問日以外でも取り組みやすいものを提供する必要があります。シンプルの方がよかったかも。
まあ、何が単純か、複雑かは意外と難しい。単に工程の多さではないですね。 CAMRでは人の運動を形ではなく機能で見ます。
歩行障害がある時、正常歩行の形からどれだけ逸脱しているかを分析して正しい形に戻すのではありません。歩く時の運動システムが生み出す働き、重心移動・支持・振出しがどう作動しているかを見ます。
そしてそれらを強めたり改善するには、を考えます。疾患や障害が異なると歩行の形はそれぞれ違いますが、歩行が重心移動・支持・振出しの機能から成り立っていることには変わりありません。
だから、CAMRでは疾患や障害が異なっても、同じ課題を行います。脳卒中用の課題、大腿骨頚部骨折用の課題というものを作っていません。支持機能を高めるとか、左右の重心移動を拡大するとか、支持と反対側の振出しを同時にするとか、そういう課題を行います。
CAMRではリスト化しています。便利です。
障害を問わないと言っても、「このほにゃららスクワットを1日10回やれば、誰でも3か月で痩せられます!」みたいなわけはないので(どうも私の例えはダイエットか山登りが多い・・・)、セラピストの出番です。
繰り返しますが、課題作成は疾患によって決まるのではなく、システムの作動状況によって決まります。また、痛みの有無やその方がとっている運動方略とか考慮します。レディメイドの課題をその人向けにカスタマイズするというとこですかね。
課題設定にしても、経過をみて課題変更していくにしても、クライアント自身の「探索」が重要です。 その4に続く~ (忘れられないうちに投稿します!)
「実りある繰り返し課題」を振り返る その4
~人はみな自律した運動問題解決者~
秋山です。暑いです。西尾さんのnoteが今の話題に関係深いテーマなので、そちらを読んでいただければいいかなーと思いながらも、いやいや、逃げちゃダメだ、あちらはあちら、こちらはこちらと気を取り直し、続きです。
前にも述べましたが、リハビリテーションに携わる方で、ちゃんと仕事をしようと思ったら、誰でもクライアントを観察して評価してプログラムを最適なものになるように頑張っておられるでしょう。違いは何をどうみているかです。
セラピストが出した課題を、セラピストが指導した注意点に従って「正しく」できているか?これが従来のセラピストの役割です。正解はセラピストが持っている。
対してCAMRでは、やり方はクライアントに任せます。というより、たった一つの正常な運動などは無い、やり方は人それぞれなのだから、当事者が能動的に動いて、世界を探索して獲得していくしかない。
セラピストの仕事は、クライアントが安全に希望を持って探索に取り組める環境を整えて課題を提供することです。
人はみな自律した運動問題解決者であることは障害の有無に関係ありません。急性期の運動障害では、その人が無能力になるのではなく、身体リソースが著しく損なわれてこれまでの方法が通用しないという状態です。
セラピストはクライアントに対してその人の「正しい動き方」を知っていて教えることができるのではありません。自分の運動能力を過小評価または過大評価している方に、「まず、これくらいの動きからやってみましょう」→「やってみてどうでしたか?では、これではどうですか」
その間、足場作りでコンプリメント、ブリッジその他いろいろやるのです。また、クライアントが気づいていないリソースを促したり、偽解決のループに陥る前に他のやり方を試してもらったり。ああ忙しい。
私たちは常に探索して世界とつながっている。慣れたところでは探索は無意識のうちに行われ、その重要さに気がついていないのだと思います。
ここからは個人的感想ですが、「クライアントがセラピストに頼らないと運動しない」とか言う前に、クライアントの探索の邪魔をしていないか、まず気にしてみることですね。いったん、終了ですー。
「実りある繰り返し課題」を振り返る ~「実りある」とは?~
秋山です。ご無沙汰でした。さぼってる間に7月になってました。体感的には8月の暑さですなぁ('◇')ゞ
新しい運動課題は、やり始めは上手くいかないこともあります。だんだん上手になり課題達成!となると新しい運動課題となります。また、動作は洗練されてくると最小の動きで達成されて決まった動きや部位だけが使われてきます。課題がいつまでも達成できなければ、現時点では適切ではないと言えます。そういうわけで「運動課題を変更していく」ことはセラピストの大事な仕事です。
おっと、これは「繰り返し課題」と矛盾するのか?いえいえ、そうではないです。最近あまり登場していなかった、でもいろんな面で価値ある「実りある繰り返し課題」を振り返ってみようと思います。
「実りある繰り返し課題」を一言で説明するならば、野球における素振りです。ボールが打てるようになっても素振りは続けるものなんでしょうね。きっと大谷翔平もやっている。ただ、闇雲に回数だけ積み重ねても良くないようですね。これはリハビリ分野でもそうです。
余談ですが、リハビリは痛いのを我慢して苦しいくらいやらないとダメ、いや、それぐらいでないと効果がないというクライアント、時にはセラピストがおられますが、あれは良くないと思うんですよね。楽ではないし、しんどいこともある。でも、苦痛は避けるべき。まあ、「やった感」をもつのはモチベーション維持に有効ですが。
上手くまとまらなくなったので、次回に続きます(^^;)
「実りある繰り返し課題」を振り返る 忘れた頃の“その2”
秋山です。その1からなんと一か月経ってるではありませんか!あらびっくり!!何事もなかったかのように、その2の始まりです(^^;)
「実りある繰り返し課題」の具体的な運動課題は、特殊なものではありません。訓練場面や自主トレ課題として、よく使われる、ある意味「ありきたりなもの」です。
職場の他職種スタッフから、ご自身の腰痛対策の相談を受けることがあります。ストレッチとかドローインなどを痛みの出ない範囲でこつこつやりましょうね、と言うと、「つまんねー奴だなー」的な表情をされることがあります。なんか、もっとこう、ガッガッとやってバーンとすっきり治るようなものが欲しいのよ、と表情が語っています・・・。
そんなもん無いよ!万人に共通するそんなもんがあったら、苦労しないよ!と心で叫ぶ。あ、話がずれました。
歩行に繋げていきたいという方への具体的な種目としては、立位でのつま先立ち、下肢横上げ、足踏み、左右重心移動、スクワットなどなど。単純なものが良いです。一人でもできるような。いろんな運動リストを持っておくと便利です。詳しくは「リハビリのコミュ力」(西尾、金原出版)をご参照ください。
より大切なのは、何をやるかよりも、どうやるかだと思います。負荷とか、上肢支持の有無とかで難易度が変わります。達成可能で、クライアント自身が「この運動は効きそう」と思えて「よし、今日も頑張った」と満足できるセッティング。そして達成度合いによって変化させていく。
こう書くと難しそうですが、実際にやってもらってクライアントに尋ねていけばよいのです。答えはクライアントが持っている。
回復中のクライアントの場合、どんどんできるようになって種目やセッティングを短時間で変えていくことがあります。こっちも調子にのってしまうことがる。かつて、「やっとできるようになったと思たら、もう次か。簡単に言ってくれるねぇ」と苦笑いで言われたことがあります。課題がどんどん進むのが嬉しい方もいるので、よくみないといけませんね。 ~続く~
運動理解のための新しい視点:CAMR(その6 最終回)
今回は人の運動システムの作動の特徴として主に「自律性」を説明してきた。
CAMRでは他に「状況性」と「課題特定性」という作動上の特徴が重要であると考えている。
基本的に人と機械の運動システムは全く違う作動の特徴を持っている。機械は設計者に決められた通りの作動を行う。それ以外の作動は起きない。人では、問題が起きると自ら解決を図ろうとこれまでとは異なる作動を開始する。人の運動システムは余剰な運動リソースを持っており、様々な異なった作動で同じ運動結果を生み出したりできる。
たとえば片麻痺の方がそれぞれの麻痺の程度や分布に応じて、様々な歩行の形を生み出される。それぞれの状況に応じて相応しい形が生まれてくるわけだ。もし柔軟性や筋力などの運動リソースが変化すればまたそれに相応しい新しい運動スキルが創造されて歩行の形も変わる。人の運動システムは、状況変化に応じて創造的なのである。
人の運動システムを理解するときに、構造とその各部分の機能から理解する視点は、非常に有効であるのは間違いない。だがこれだけでは人の体を機械のように考えてしまうし、素朴な因果関係で障害を理解して機械を修理するように治療を考えてしまう。
そんなものはないのに「正しい運動」という幻想に囚われたりする。機械には正しい運動があるからだが、人にはそんなものはない。
だから同時に「自律性」や「状況性」、「課題特定性」といった人の運動システムの作動の特徴からの理解を加えることで、人の運動システムや障害の現象がより深く理解できるようになって、これまでとは異なったアプローチも生まれてくる。
二つの視点があれば、二つの異なったアプローチを持てるので、それぞれやってみて比較することも可能である。僕たちセラピストの問題解決の選択肢を増やすことができる訳だ。
また馴れてくると、二つの視点を組み合わせてより効果的なアプローチを生み出すことも可能であると思う。セラピストにとって、とても良いことではないかと思っている。
また今年の夏以降に講習会を再開する予定である。是非参加して視野を広げる経験を楽しんでいただきたいと思っている。
※現在CAMRの情報、講習会のお知らせは以下のSNSから。
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また書籍には以下のものがあります。
① 「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」(西尾幸敏著 金原出版)書籍版・電子書籍版共に2420円
②「リハビリのシステム論-生活課題達成力の改善について(前・後編)」(西尾幸敏著 Kindle本)電子書籍版(前編400円 後編600円)ペーバーバック版(前編1032円 後編1152円)
② 「脳卒中あるある!-CAMRの流儀」(西尾幸敏著 Kindle本)電子書籍版300円 ペーバーバック版852円
④「脳失注片麻痺の運動システムにダイブせよ!~CAMR誕生の秘密」(西尾幸敏・田上幸生共著 Kindle本)電子書籍版100円 ペーバーバック版737円
その他5冊あるが全部電子書籍のみで全て100円