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CAMRはContextual Approach for Medical Rehabilitationの短縮形です。「カムル」と呼びます。和名は「医療的リハビリテーションのための状況的アプローチ」と言います。システム論を基にした日本生まれのリハビリテーション・アプローチです。
今回はCAMRがどのような土台から生まれたかを説明したいと思います。
最初はベルンシュタインです。
ニコライA.ベルンシュタイン「デクステリティ 巧みさとその発達」工藤和俊訳 佐々木正人監訳 金子書房, 2003年. から
システム論はロシアの運動生理学者、ベルンシュタインの本が英訳されたのが西側世界でブレイクしたきっかけの1つらしいです。彼は実にたくさんの魅力的なアイデアを提案しています。そのうちの一つが、「人は機械とは根本的に違う」というものです。
西欧文明には「人は神が創った機械である」という「人間機械論」という思想が根底にあるようです。それでなくても機械は身の回りにある動くものとして馴染みがあり、自分たちの体の運動を理解するときの喩えとして分かりやすいこともあります。
解剖学や運動学では、人の体を構造と各組織の働きで理解しますので、運動が生まれる仕組みを機械と同じように学んだりします。あるいは脳をコンピュータに喩えたりはよく行われますよね
でもベルンシュタインは、人のからだは機械とは違う」ことを明白に説明しました。以下で紹介するのはその1つの例です。
職人が金槌を振る動作を観察したところ、一回毎に運動の軌跡が違うのに、毎回釘の頭を打つという同じ結果を生み出すことに驚きました。
機械は正確に同じ運動をして同じ結果を生み出す訳です。しかしベルンシュタインは人が毎回違う運動で同じ結果を生み出すことを発見したわけです。
なんとも不思議ですね。(その2に続く)
「治す」か「良くする」か?
ある日、初めての片麻痺患者さんが病院に来られて、挨拶も早々に立ったまま質問された。 「わしの病気を治せるか?」 僕は全身を見た。麻痺側の体が硬くなっていることがよく分かる。麻痺は治せないので、「治すことはできませんが、今より良い状態にすることはできると思います」と答えた。
すると「じゃあ、見てくれんでええわ!」と激しく言ってリハビリも受けずに杖をついて出口に向かってしまった。僕は唖然とした。
硬くなった体で一生懸命に歩かれている。重心移動や患側下肢の振り出しに時間がかかって、頑張っている割に速度が遅い。どうするか迷った。もう一声かけるべきか・・・ あの硬さを改善すれば、もっと楽に歩けるし、歩行速度も上がるだろうと思った。後を追おうとしたら、一緒に来ていた妻が申し訳なさそうに頭を下げた。 「いつもあの調子なんです。諦めがつかないらしくて・・・もういいんですよ、ごめんなさいね」と小声で言いながらあとを追われる。なんだか声をかけそびれてしまった。
カルテを見ると発症から4年。県内の有名なリハビリテーション病院などにも入院されていたようだ。いろいろな病院やクリニックを渡り歩いておられるらしい。
最初は「仕方ない。あの方の判断だ」などと思ったが、何度も気になって仕方ない。なんと言えば良かったのか?嘘はつけないが、もう少し丁寧に説明すれば良かったのでは?
たとえばすぐに返事せずに、「見たところお体がかなり硬くなっておられるようですね。その硬さを改善すると動きやすくなりますし、歩くのも速くなると思います。ただ麻痺自体を治すのはリハビリではできないのです。でも今より動きやすくなりますよ」などといった言葉が後からいろいろ浮かんで来た。
もちろんそれでも断られたかもしれないが、なんだかいつまでも後悔が残るもので、30年近く経った今でも思い出すことがある。(終わり)