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CAMRは状況変化の技法?(その2)

目安時間:約 3分

CAMRは状況変化の技法?(その2)

 前回の最後は少し話が逸れてしまいました(^^;)まあ、手短に言うと地域のケアマネさんが抱えている「難しい利用者さん」の問題解決をリハビリ・ドックで引き受けようという話です。

 具体的に最初の頃に関わった状況変化が上手くいった例を挙げます。 Aさんは、退職後しばらくは色々な活動をしていましたが、何年か経つうちに徐々に家でテレビや本を見て過ごす時間が増え、足腰が弱って一人で歩くのが難しくなっています。膝や腰は時々軽く痛みます。家では伝い歩きか介助歩き。それでトイレが間に合わずに失禁も多いです。でも、尿パッドや失禁用紙パンツを嫌がるので困っているそうです。

 担当のケアマネさんが、あるデイサービスにAさんを紹介しましたが、「本人の意欲が低くて動こうとされなかった。最後はデイサービスを嫌がられた」と通所を拒否し、利用終了となりました。しかし家族とケアマネさんは、「今のままでは困る、最後のお試しで良いから。これでダメならもう無理はいわない」となんとか説得して当施設のリハビリ・ドックに渋々入所されたそうです。

 私達セラピストは、「原因を探して、その原因を解決する」というやり方を学校で教わっています。

 前の施設の報告書を見ると、セラピストは歩行不安定でこけやすい原因は「足腰・全身の筋力低下」であると考えて、最初は筋トレをあの手この手で勧めましたが、本人がなかなか動かなかったとのこと。

 それで「足腰が弱ったのはもともと動く意欲が低いのが原因」と考えなおして、まずは「意欲を促して動くこと」を目標に変えました。たとえば元気な頃は家庭農園をやっていたので畑の作業やマシントレーニングなどの具体的課題を提案したりしますが、どれにも意欲を示されませんでした。思いつく限りのことはやってみたが、この利用者さんは「根本的に動く意欲を無くしている」と諦めの結論で結論づけています。

 失禁については、介護の方で紙パンツを勧めましたが家庭と同様に拒否されます。理由は分からないので対処のしようがないとのことでした。

 前の施設の訓練の様子などもケアマネさんから聞いています。前の施設では元気なセラピストが何度も繰り返し力強く筋トレや運動に誘っては断られています。ケアマネさんが見たところ、そのうちセラピストも次第に不機嫌になり、お互いに不機嫌さがエスカレートしたのではないか、と言われます。なるほど・・・なんとなくイメージは湧きます。

 それで「前の施設とは異なったアプローチをとる」ことにしました。 次回はいよいよAさんと対面です。(その3に続く)

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CAMRは状況変化の技法?(その1)

目安時間:約 3分

CAMRは状況変化の技法?(その1)

 CAMRが生まれた初期の頃、みんなに憶えてもらいやすいキャッチフレーズを付けることにしました。それで思いついたのが「状況変化の技法」でした。他の人には意味が分かりにくいかも、と思いましたが、なんとなく気に入ってしまったのでそのまま現在も使っています。

 ただその後、「CAMRはやはり状況変化の技法であるなあ」と再々実感するようになります。そのことをお伝えすることで、「なるほど、CAMRは状況変化の技法であるなあ」と少しでも感じてほしいので、実例を紹介してみたいと思います。

 最初そのことを強く感じたのは、僕が勤めていた老健施設でやっていた「リハドック」というサービスでした。その当時「強化型老健」を目指そうという施設の目標があがりました。まあ、簡単に言うと「強化型」という施設になると収入が増えるので「それやろう!」となったわけです。

 そしてサービスの趣旨はズバリ、「在宅生活を支えるための入所サービス」です。しかし始めたばかりのリハビリ・ドックには利用者さんがなかなか集まってきません。

 そこで目を付けたのが、ケアマネさんの抱える「色々な面で困っている利用者さん」を引き受けて、1ヶ月程度の期間でその問題を解決しようということです。そうすれば地域のケアマネさんの間でリハビリ・ドックの噂が広がって利用者さんが増えるのではないか、と考えたわけです。

 実際に在宅生活では「次第にからだが弱って転げやすくなった」とか「膝が痛くて歩かなくなった」とか「失禁が多くなって介護が大変」とか「紙パンツやポータブルトイレを嫌がるので困っている」など、在宅生活を続ける上で家族が介護で困っている場合が多いのですよね。

 しかも他のデイケアや老健で問題解決が上手く行かなかった方も比較的多いのです。

 そんな他施設で解決しなかったような利用者さんを受け入れて何とかしてみようという無謀な挑戦が始まったのです。

 この物語は、リハビリ・ドックを実現させる過程とその中で苦闘した人々の記録である・・・(中島みゆきの「地上の星」をバックに(^^;)!) あっ、話がテーマから逸れてしまいました。次回から「状況変化の具体例」について述べていきます(^^;)(その2に続く)

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君たちはどう生きるか-リハビリのセラピストへ(その5 最終回)

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君たちはどう生きるか-リハビリのセラピストへ(その5 最終回)

 従来のリハビリで扱われる人間像では、患者さんは単に「障害を持った人」です。あるいは「障害を持って困っている人、傷害に苦しんでいる人」というイメージです。だからセラピストが助けようとします。極端になると必要以上に患者さんを助けようとして、セラピストが患者さんの動きや生活を管理しようとします。

 でもCAMRの視点では、患者さんは「障害を持っていても問題の解決を試み、必要な課題を達成しようと試みている人」と映ります。本人様は意識的に「苦しい、何もできない」と思っていてもその人の運動システムは、常に「何とか必要な課題を達成しよう」と頑張っています。

 たとえば片麻痺患者さんの分回し歩行は、誰に教わるでもなく多くの片麻痺患者さんが苦労の末に自然に手にした歩行スキルです。この歩行スキルを「間違っている。健常者の様に歩きましょう」などと言うのはとても失礼です。実際にセラピスト自身が麻痺を治して「健常者」として歩いていただくことはできないからです。

 むしろ、「麻痺のある体でよくここまで歩くようになられましたね」とみんなで認めることもできるのではないでしょうか。それで救われる方も多いと思います。

 もちろんセラピストにとっては、患者さん自身が生み出した片麻痺歩行をさらに安全で効率的な片麻痺歩行スキルに改善することが仕事です。

 運動システムは麻痺などの状況変化に対して常に適応しようとしますし、必要な課題を達成しようとします。もし課題達成に問題が起こると、自律的に何とか問題解決を図って、その人にとって必要な運動課題を達成しようとします。

 CAMRの視点はいつも運動システムの内部と外部を行き来しています。それで患者さんの意識とは別に、頑張っている運動システムの作動を理解し、助けようとします。

 運動システムは単なるメカニズムではないのです。意識の支配下でもないのです。変な表現ですが、機械と違ってちょっとした個性や知能を持っている存在のように思えます。そしていつも必要な課題を達成し、問題が起きると問題解決を試みているのです。これがCAMRによって理解できる運動システムの作動の特徴の一つです。

 ただその問題解決が新しい問題を生み出してより悪い状況を生み出してしまうことが多いのです。この悪い状況を「偽解決状態」と言います。特に脳性運動障害で顕著です。たとえば必要以上に体が硬くなったり、使える運動リソースを「使えない」と勘違いしたりして運動パフォーマンスを上げることができなくなっているのです。

 セラピストはこの偽解決状態から患者さんを救い出し、運動システムがより良い形で課題達成するための手助けをしていく必要があります。たとえば片麻痺歩行も不要な過緊張を改善し、改善可能な身体のリソースを改善し、より効率的で安全な歩行スキルの獲得を手伝うことができるのです。

 これがCAMRの視点であり、理解の簡単な概略です。そうするとこれまでとは異なったアプローチの体系が現れてきます。

 現在CAMRのアプローチを伝え、議論するための無料勉強会を広島市中心部で定期的に開催しています。患者さんの動画を使わせていただき、患者さんの運動問題やそれに対する運動システムの問題解決と偽解決状態、そしてそれらに対するCAMRのアプローチを具体的に説明しています。

 CAMRのアプローチを理解してもらえるとより広い視野から患者さんを理解できると思います。一人でも多くの方が参加していただけることを祈念しています。

 これがシステム論に出会ってからの僕の30数年の取り組みの道のりです。

 最初に述べたように、現在の日本のリハビリテーションは約1世紀前の視点で脳性運動障害を理解しています。それに矛盾や疑問を感じることはないでしょうか?もし感じたときは・・・・君たちはどう生きるか?(終わり)※今回の記事は、FacebookとNo+eの両方に掲載しています。

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君たちはどう生きるか-リハビリのセラピストへ(その4)

目安時間:約 3分

君たちはどう生きるか-リハビリのセラピストへ(その4)

 アメリカの課題主導型アプローチではHands therapyが治療体系から除外されていました。それで僕は日本向けにhands therapyが組み込まれたシステム論のアプローチを作りたかったのです。その理由は前回述べています。

 あともう一つ、アメリカのシステム論的アプローチに含まれていない魅力的なアイデアがありました。それはシステム論の新しい理論の一つ、アルゼンチンの生物学者、フアン・マトゥラーナとフランシスコ・ヴァレラが提唱する「オートポイエーシス」(autopoiesis) 理論です。

 たとえば動的システム論を始めこれまでの科学的方法というのは、システムの外部から客観的に現象を観察するのが基本でした。ただ人をこの外部からの視点で見ていると、まるで人を動く機械のように見てしまいがちです。動きの形の変化を見て、内部の筋や骨の動きに結びつけるのは、機械の作動を理解するのと同じです。

 でも動物は機械とは丸っきり異なる作動の特徴を持っています。これは構造の視点から作動を見ていては理解できないものです。オートポイエーシスはシステム内部の視点を提唱しています。システム内部の視点から作動を観察するのです。これによって初めて気づかされる理解があるのです。

 それは「作動の特徴」です。たとえば随意性とは「思い通りに動くこと」と考えられています。こう表現するとなんだか運動システムは意識の奴隷あるいは手下のように感じます。

 でも運動システムの立場から見ると、随意性は「意識が思い通りの結果を得ること」ということになります。意識は体を動かしているのではなく、課題を運動システムに丸投げして、運動システムが状況を理解し、利用可能な運動リソースを探しては体を動かして課題を達成しているのです。緊急時には運動システムは意識に先んじて体を動かすこともあります。

 つまり観察の立場を変えると、これまでとは違った運動システムの作動が見えてくるし、これまでと異なった理解も生まれるのです。

 こうして僕はアメリカの課題主導型アプローチの持っている「人はアクティブな学習者である」という人間像にくわえて、hands therapyの有効性を訴え、オートポイエーシスの視点からの「作動の特徴」という新しい視点を加えて「CAMR(Contextual Approach for Medical Rehabilitation、和名は医療的リハビリテーションのための状況的アプローチ)を提唱することになったのです。

 君たちはどう生きるか?(その5 最終回に続く)

※今回の記事は、FacebookとNo+eの両方に掲載しています。

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CAMRのYouTubeチャンネル始めました!

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CAMRのYouTubeチャンネル、Camrers' Roomで動画を3本公開しています。

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