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今回は「CAMRの旅お休み処 シーズン2 その6」です。
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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その6
「課題は挑戦的、実際的、そして達成的に」2013/4/29
CAMRでは、クライアントがどのように課題を達成するかはクライアントに任せます。セラピストの仕事は課題の設定です。その時の注意点です。
1.挑戦的である
セラピストがクライアントに挑戦するんではないです、「かかってこいやー」な訳はない(^^;)クライアントにとって「やってやろうじゃないか」と思える内容であり難易度である、ということですね、はい、当然です。
日常的に実感できることですが、高すぎる目標は挫折するし、諦めてしまいやすい。低すぎると、つまらない。ただこれは、どんどん難しくしていくばかりではありません。「今日も明日もやり続けることができる」というのも意味があります。
リハビリの人は、もうすぐに難しいことさせようとするんだから~。
2.実際的である
クライアントにとって現実の問題、自分のニードに繋がっていると思えることです。例えば「歩きたい」に対して歩行練習という方法もありますが、「これをやったら歩きやすい」とクライアントが実感していれば直接歩くことでなくても取り組んでいかれますね。
3.達成的である
クライアント自身が進歩を実感できる、ということです。できれば短時間に効果が実感できると嬉しい。こつこつと継続、はとても大事なのですが、「やればやっただけは、良くなるよね」というのはモチベーションを高めますね。セラピストの心にも好影響です。
自分の変化というのは案外気づきにくいもので、特に発症前を基準に考えると低下ばかりが目立ちます。「形がよくなったね」というのはセラピストには目に見える変化でもクライアントには実感しにくいこともあります。「10回だったのが20回できるようになった」「1周歩いても息切れしなくなった」「重錘つけても動かせるようになった」などなど。時にはクライアント独自の達成感を持たれることがあります。セラピストがその世界に寄り添えるとよいです。
1~3は、同じことをいろんな言い方をしているだけかもしれません。クライアント自身が課題を設定されることもありますが、皆が皆そうはいかないし、そうならなければいけない必要もないです。私達の出番ですね。
自分で作ったにしろ、セラピストが提示したにしろ、その課題をクライアント自身の中で腑に落ちて納得している、ということが大事なのでしょう。
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今回は「CAMRの旅お休み処 シーズン2 その五」です。
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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その五
「運動を、形ではなく機能でみる」2013/4/7
CAMRはシステム論に基づいて運動をみています。システム論的にみると、今までの見方とどう違うのか?その説明がホームページやここで展開されているのですが、言葉ではわかっても、実際にどういうことかというのは、ちょっと掴みにくいところかもしれません。
「システムとしてみる」を、「要素に分解しないで全体としてみる」と捉えると、外れではないけれどますますよくわからなくなる。うすぼんやりと全体を眺めても、一体どうしたものやら・・・。そこで、ヒントが「形ではなく、機能でみる」です。
その参で、「立位での踵上げ」を取り上げましたが、 この課題は「抗重力位での足関節底屈」=形でみる、ではなく、「狭い基底面で支持しながらの垂直方向の重心移動」=機能でみる、です。この場合はやり方にあまりバリエーションがないので、形を問わないと言っても、だいたい同じ形になります。
歩行をみてみるとどうでしょう。従来行われているのは、形による歩行分析です。一見「正常」があるように思われますが、状況に応じて変化することが大事、というのはこれまで述べてきたとおりです。となると、形は無限にあります。けれど、機能でみると、「支持して、対側を振り出し、重心移動」というのは共通しています。
どんな形かはクライアントにまかせる。クライアントはどのように機能を維持しようとするのか。より有利な方法をクライアントが試して選ぶためにはどんな課題をやってみてもらうか。板跨ぎ課題で、「支持する足の膝を少し曲げてみて」と、形の指示に見えることをいうこともありますが、反張膝という形はいけないからではなく、段差や坂道では不利だからです。あ、この説明は少しずれたかな(^^;)
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今回は「CAMRの旅お休み処 シーズン2 その四」です。
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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その四
「Back to the"耳を傾ける".ただ聞くことの難しさ」2013/3/31
読む!シリーズはますますマニアッ、いやいや専門的になってきています(^_^)
「リハビリの夜」シリーズ、完結です。田上さんも書いておられますが、心情という点からだけでなく、運動障害の見方そのものも示唆深い本です。是非、ご一読を。
さて、私見ですが、いわゆる「闘病もの」への反応は大きく2種類あるように感じます。私見ですけどね。
1.目からウロコの、すばらしい本である。一押し!
2.わかるけど、そうは言ってもね・・・、とちょっと引き気味。または、突っこみ。
2種類のうちどちらかと言うより、この2つを対極としたベクトル上のどの辺にいるか、と言った方が良いのでしょう。特に「リハビリの夜」は、独特の言い回しと申しますか、官能的とか同化思想とか、医学の専門書として読むとちょっと違和感を覚える部分があるかもしれません。そういう意味では、少し2.寄りという感想もあるでしょうね。
しかし、よく考えてみると、先の1.と2.は決して二律背反ではないですよね。感じたことから理論を組み立てたとき、理論に関しては別の視点から違う考え方ができるというような議論ができます。感じたことについては、正しいとか間違っているとか言うより、まず「ああ、そう思ったのか」「そういう風に感じることもあるんだな」と受け止めてみる。自分の感じ方と違ったり、痛いところを突かれたりすると、これが難しくなります。つい、判断したり解釈したくなってしまいます(^^;)
判断・解釈が悪いわけではありません。ただ、それらが前提として最初に前面に出てしまうと、クライアントは本音を言えるかな、と思います。これも、言うは易く行うは難し、でして、こちらの胸が波立つときも、「これがクライアントの素直な感想なのだ」と自分に言い聞かせたりする・・・。
今回は、私の悩み処でした。
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今回は「CAMRの旅お休み処 シーズン2 その参」です。
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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その参
「リソースにはスキルがつきもので、スキルは課題を通して改善する」2013/3/16
「読む!」シリーズの旅はどんどん先に進むのですが、お休み処は休んでばかり・・・。ま、休むところですから(^^;)
さて、ここで問題です。「CAMRの基本課題その2」(タイムラインへの投稿の写真)は何をしているところでしょう。
はい、踵上げですね。そう書いてありますね。訓練場面では、私は「つま先立ちしてみましょう」とも言います。どっちでもよいです。
では、これは「何のために」やっているでしょう。
従来の考え方では、足関節底屈筋群、下腿三頭筋の強化ですかね。書きながら、あってるのかいなとドキドキします。実際の訓練場面では踵が5cmくらい浮く感じですが、この写真ではモデルの方が実に美しくきっぱりとつま先立ちしてくださっているので、まさに下腿三頭筋の筋トレっぽいです。しかし、CAMRではそう見ません。下腿三頭筋の筋力というリソースをアップするための訓練、ではないのです。
答えは一つではないのですが、「狭い基底面内での重心移動と、それを行う際の特に下肢の支持性」に対する課題の一つです。形ではなく、機能で見るという例ですね。
と、もう一つ、「リソースを豊かにしてスキルを多彩にし、運動問題を解決する」と、つい説明してしまうのですが、「まずリソースアップ、次にそれを使うスキルを改善」というリソース先行ではありません。リソースを使う(改善を図る)にはスキルが必要で、リソースは、それだけを単独で取り出せるようなものとは見なしていないんですね。そしてスキルは課題を通して向上する。これは「歩けないのだから歩く練習」という課題を言っているのではなく、「下肢で身体を支持しながら狭い基底面で重心移動が起きる」課題を用意するということです。この課題設定がセラピストの重要な役割です。
うーん、上手く説明できたのかなぁ。
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今回は「CAMRの旅お休み処 シーズン2 その弐」です。
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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その弐
「"疾患を選ばない"は、画一的アプローチを意味するか?」2013/2/26
CAMRは運動障害に対するアプローチですが、対象疾患を選びません。時々、「どの疾患の患者さんにも、同じことをするのですか?」という質問をいただきます。回答は、「はい」であり、「いいえ」です。はぐらかしてる訳ではありませぬよ。
CAMRは運動システムという視点で運動がどう起こっているかを見ますので、原因疾患毎のアプローチ法はありません。整形外科疾患であれ、脳血管疾患であれ、同じ運動をやります。歩行や立位については、写真で見ていただいたような重錘をつけての立位でのつま先立ちや膝挙上など。板跨ぎもよくやります。では、全員が全く同じことをやっているかと言えば、もちろん、そうではありません。
それぞれの課題設定には、その方の"状況"を考慮します。痛みがでやすいか、左右差があるか、身体が硬いのか、慎重派か、などなど。動きは同じでも、やり方は個別に設定します。「脳卒中だから、これ」ではありません。
疾患が異なっても、運動で問題になるものは案外シンプル(リソースという点からみると実感しやすいかも)で、共通に使えるものがいくつかあれば結構何とかなる、のかもしれませんね。
「じゃ、"多彩なスキル"って?」と言われそうですね。それはまた別の話で。
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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その壱
「人によって、同じ"状況"を見ているとは限らない」2013/2/16
CAMRの旅も一巡りし、シーズン2に突入です!基本的な概念や用語については、ホームページの「人の運動変化の特徴」や「論文紹介」が充実してきましたので、少し横道にそれながら道草してみようと思います。
ホームページの論文その3に、「状況一体性」が説明されています。当アプローチは「状況」が重要な言葉ですが、これがなかなか一筋縄ではいきません。今、目の前に広がっている「状況」は、あなたの目にも私の目にも同じように映っているのでしょうか? こう書いて、「そうです」とくるわけはなく、「そうではない」ときそうですが、ここは「そうではないかもしれない」です。
ここで言う状況は、単にものの物理的配置を指すのではありません。客観的に物理的配置を述べたつもりでも、何を取り上げるかで記述者の思い(考え)から逃れることはできません。それを見る人の思いや考えを通して認識したものが、その人の捉えている状況です。これは他の人と一致していることもあれば一致しないこともある。同じ映画を見ても友達と感想が違う、と考えると当たり前のことでしょう?
一致することが良いことでも悪いことでもありませんね。一致させる必要性もない。そんなものなのだ、と思っておく、というところですね。
「だから、なんだ?」と思われるかもしれませんが、寄り道ですから・・・。
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