CAMRの実践紹介-症例を通して その3

目安時間:約 6分

≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!


「CAMR Facebookページ回顧録」のコーナーです。
今回は「CAMRの実践紹介-症例を通して その3」です。


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CAMRの実例紹介-症例を通して その3 

※個人の感想です(^^;)



秋山です。右片麻痺の方の患側支持練習の結果編です。



立位課題に対しては回数を増やす等、適宜ご本人と相談しながら進めました。歩行訓練は、距離やコースは本人にお任せ、私は何も指示することも介助することもなく、いざという時の見守りでした。



立位課題の左右重心移動で右への動きが拡大してきたり、健側の前方踏み出しが広がったりと、患側下肢での支持がちょっと長くなりました。そのように患側下肢をより使うようになられたなと思う頃に、「今日は右足がよく出るから、もう少し歩く」と自分から言われることが増え、全体に距離が伸びてきました。



「足がまっすぐ出た」とは本人は感じないけど、「足がみやすく(簡単に)出て楽だった」という本人にとってプラスの変化を実感されていました。その方は、「ちゃんと歩くためには、足がまっすぐ出ていないといけない」から「歩きやすいと感じる時は足もよく出てる。いろいろ運動しておくと歩きやすい」と思われるようになっています。



しかしセラピストの視点からは、右半身が後ろに引けていたのが目立たなくなり、右足も側方からではなくより前方に振出す、つまりよりまっすぐに振り出すようになられました。形も変化しているのです。おそらく健側下肢が前方により大きく出るので推進力が増し、患側下肢は筋などの粘性で、前方により強く引っ張られ、ぶん回しスキルへの依存が少なくなったのでしょう。結果、図らずも脚は以前よりはまっすぐに振り出される形になったわけです。



CAMRの視点からみてみましょう。CAMRでは正しい運動、間違った運動という見方はしません。中枢神経障害により異常運動=正常から逸脱した運動が出現しているとみるのではなく、障害に加えてそれに対する運動システムの問題解決などの相互作用からその状態になっていると考えます。



今回のクライアントの患側下肢がまっすぐ出ないという現象は、麻痺して今までのやり方では振り出せなくなった下肢を何とか振り出そうとした結果とも言えます。麻痺した下肢を振り出すためには健側下肢と体幹で振り出すしかなかったのです。異常な運動が出たのではなく、使える機能で何とか「歩く」という運動問題を解決しようとした。目にしている運動の形はそのようにして選択されたものです。



だからアプローチとしてはこの方が脚をまっすぐに振り出すことを目標にしても失敗経験を繰り返すだけです。むしろ柔軟性を改善し、荷重経験を繰り返し、患者さん自身がより歩きやすいスキルを探索された結果、つまり運動システムの作動が変化した結果として形も変わってきたのです。



ただ、運動システムが選択した問題解決は、常に最適とは限りません。本当は他の解決方法があるかも知れない。そこは何とかしたい。この方の場合は、麻痺側下肢の支持機能があるのに動作では十分に使っていないことがわかり、本人も納得されて麻痺側での支持を行う課題を実施、システムの作動が変化して歩きやすくなりました。


健常者の運動の形を真似するという目標はあまり意味がありません。できれば自然にしていることですから。むしろ運動システムの問題解決を理解し、適切な要素を変化させたり、支持や振出し、重心移動という機能(働き)から運動を見て、変化できることから取り組む例として、みなさんに伝われば幸いです。(終わり)




★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆


【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


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西尾 幸敏 他著「脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密」運動システムにダイブ!シリーズ①


【CAMR入門シリーズの電子書籍】
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西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③
西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④
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