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内容
従来人の運動システムの理解の仕方は、体の構造や各部位、各器官の働きによって理解されます。これは機械を理解するときと同じ方法です。人を機械のように理解するわけです。それでアプローチも、機械と同じく「悪いところを探して治す」ということになります。
もちろんこの視点は整形疾患などでは非常に有効です。ただ脳性運動障害のように「脳を治せない」となると「悪いところを探して治す」方法は無力です。別のアプローチが必要です。
CAMR(Contextual Approach for Medical Rehabilitation)は、システム論を基にした日本生まれのリハビリテーション・アプローチです。
CAMRでは、人の運動システムを作動の特徴から理解します。たとえば人の運動システムには「状況性」(Contextual adaptability)という作動の特徴があります。これは「人の運動システムは環境や状況の変化に応じて、運動の形ややり方を適応的に変化させて課題達成・維持する」という作動です。
これによって人は、たとえば室内でも荒れ地でも、氷の上でも、暗闇でも水田の中でも適応的に歩行を維持できます。非常に重要な作動の特徴です。
「状況性」(Contextual adaptability)は、人の運動が無限に変化するという仕組みによって支えられています。
この仕組みは、「豊富な運動リソースと適切な運動認知、そこから生まれる多彩で柔軟な運動スキル」によって成り立っています。
障がいがあると身体リソースが貧弱になり、利用可能な環境リソースも貧弱になります。そうすると多彩で豊富な活動力が低下して、必要な生活課題達成のための運動スキルが貧弱になり、生活課題達成力が貧弱になります。そうすると「状況性」も低下します。
それでリハビリの目標の一つは、「状況性の改善」になります。以下の通りです。
1. 改善可能な身体リソースをできるだけ改善すること
2. 利用可能な環境リソースをできるだけ工夫して増やすこと
3. 同時に多様な活動と運動を通じて運動認知の適正化を図ること
4. 適切な運動課題を設定して運動スキル学習を行うこと
脳性運動障害の原因は脳細胞が壊れたことですが、今のところ脳細胞は治せません。だから他の改善可能な運動リソース、運動認知をできるだけ改善して、運動スキル学習を進めることが「悪いところを探して治す」とは異なるアプローチとなります。(下はただの画像です。クリックしてもYouTubeは見られません。上の画像をクリックでお願いします)




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