「歳のせい」と言う勿れ を読む!その4
「セラピスト主導」の反対は「患者主導」ではないのだ⁈
寒いです。炬燵を出したい秋山です。
CAMRの治療方略の中に、「クライエント-セラピスト協同治療方略」というのがあります。私には特に思い入れのある考え方で、CAMRの根幹にかかわるものと思っています。個人の感想です。
ほとんどのセラピストは患者さんを下に見ていないし、「セラピストが主導します」とも思っていないでしょう。患者さんの思いに寄り添って何とかしてあげたいと一生懸命です。ですが、この「一生懸命」が患者さんを置き去りにしてしまうという危険をはらんでいるのです。
「セラピスト主導」を反省して、主導権は患者さんにあるというのは一見発想の転換にみえますが、実はコインの裏表です。どちらか一方の答えに従うという点では同じ枠組みと言えます。主ー従が反転するだけです。
「セラピスト主導」を改めるのならば、患者さんとセラピストがそれぞれの立場で協同して事に当たる枠組みへシフトするということになります。
患者さんとの協同という考え方は、医療界全体でもだいぶ浸透してきているようですが、どうもうまくいかない時がある。その要因の一つに、「正しい答えは専門家であるセラピストが持っている。持っているべきである」という信念が抜けきれないということがあります。患者さんの話をよく聞いて、患者さんが納得して訓練に取り組めるよう一緒に工夫しあっていても、根本がセラピストの答えなのなら、そしてそれを患者のためと一生懸命にやればやるほど患者さんが置き去りになってしまうことがあります。
次回に続きます。
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