リハビリの姿勢動作観察の技術について(その3)

目安時間:約 2分

 学校では、障害後に見られる現象は大体症状として習います。これは機械を見るときのやり方です。機械には設計者が意図した正しい運動だけがあります。想定外の運動は全て故障による動きです。
 でも人は、生きています。動物なので生きるために動きます、左脚が傷ついても動く必要があるならそれをかばいながら動くのが当たり前です。片脚と家具を両手で支えながら歩いたりもします。状況に応じて必要な課題を達成しようとするし、そのために普通は見られない動きをしたりもします。健常な動きでなくとも間違った動きとは言えない場合も多いのです。
 もし杖を遠く前について歩く人がいたら、バランスが悪くて特に重心が後ろに引っ張られる感覚があって後にこけそうだから、杖を遠く前に突いて広い基底面を体の前に作ってその中に重心を保持している」という問題解決を図っているのかもしれません。
 これはバランス障害に対する問題解決の作動ですよね。必ずしも全てが症状ではないのです。
 風にあおられ吹き回される柳の枝のように、人は障害に振り回されているだけの存在ではないのです。問題はあっても何とか問題を解決して、必要な課題を達成しようと常に作動しているのです。
 それで障害後に見られる現象は全てが症状ではなく、必要な課題達成が妨げられると、なんとか課題達成のために問題を解決しようとする作動による現象が加わっているはずです。脳性運動障害後の体の硬さは症状か、あるいは問題解決の作動か?屈曲共同運動は症状か、あるいは問題解決か?
 そんな風に考えるとこれまでとまるっきり異なった障害の理解ができ、新しいアプローチが生まれるのです。(その4に続く)

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