俺のウォーキング:理学療法士らしく(その4)
俺のウォーキングの目的は、痛みを予防・改善しながら、身体リソースを豊富にし、痛みが起きない歩行で健康をアップさせることであった。しかし、現実の世界ではしばしば目的の達成を邪魔してくるものがあるのである。
「俺のウォーキング」においてそれは「デュエル」であった。俺がそれに最初気がついたのは歩き始めて3日目だった。毎日同じ時間に歩いているのだが、いつも決まった5-6組の人たちが歩いている。その中に白髪の70代前半と思われる男性がいる。3日目のこと、その男性が前をゆっくりと歩いているので追い越したのだが、その後すぐに抜き返されたのである。俺は少し脚を速めて抜き返そうと思ったが、むしろ距離はどんどん離されていく・・・結局「デュエル・ロード」とその後に呼ぶことになった道路の端にたどり着いてしまった。彼はそこにある公園に小休止という風に立ち止まる。素知らぬ顔で僕の方を見ようともしない。しかし、明らかに勝ち誇っているのである。
俺は汗をかき、息を乱していた。結構真剣に歩いたのだ。だが早く歩けないし、体力もない。白髪の年上の男性は明らかに息も乱していない。涼しい顔である。
もちろんなんと言うことはない。少し悔しかったので早足で追い抜き返そうと思ったのだ。ただそれだけである。が、これがなぜか抜けない・・
そもそもが俺のウォーキングの目的は「痛みが出ないように」であるから、デュエルなどはもってのほかである。無理をすれば痛みが出るものだ。だから「俺は抑えながら歩いているから、遅いのが当たり前である」と努めて冷静に考える・・・
しかし、その後、なんと一週間の間に、3回も追い越され、突き放されてしまった。そして公園で立ち止まり、素知らぬ顔で「ふふん!」とやっているのである。まるで俺が歩き始めるのを隠れて待っていて、後から追い抜くことを計画しているのではないか?と思わせる。
もちろんなんと言うことはない。歩行時にはナイキの提供しているランニング・ソフトを利用しているのだが、開始時の俺の1キロ当たりの時間は12分40秒以上もかかっている。元々速く歩くつもりはなかったのでのんびりと景色を楽しみながら歩くつもりだった。だから遅いのだ!と思うのだが、やはり悔しい。「今に見ておれ!」などという言葉が自然に湧き上がってくるのだから仕方ない(^^; 俺は彼に尊敬の念を込めて「白い狩人」という通り名を捧げた。白髪でいつも俺を後から追ってくるからだ。
早速家に帰ってプログラムを考え直した。開始前の体幹のストレッチと下肢のリリースを念入りにすることにした。また歩行時に「歩幅を少しずつ広くする」という課題を取り入れることにした。元々痛みを避けるために人より歩幅が小さいのだ。俺は家の近くのガードレールで色々試す。このガードレールの三本の柱の間を普通に歩くと9歩強で歩くのだが、まずこれを8歩で歩くという課題とした。ただいきなり速度を上げた歩行でこれを試してみると、膝に軽い痛みのような微妙な違和感が生じる。先々では痛みになりそうだ・・・ゆっくりと慣らさなくてはならぬ。
そこでしばらくデュエル・ロードを歩くのを止めた。他の道路で自分のペースで牙を磨くことにしたのである。そして俺の通り名は「白い狩人」に対抗して「灰色のオオカミ」とした(^^;(灰色は頭の色からとった)
そして「白い狩人」との決戦は3週間後と定めた!3週間あれば筋力・体力などの身体リソースも改善し、安定しているだろう。さて、勝敗はいかに!?(その5へ続く)♯持続可能な社会のために今、この場でできる事を考えてみよう!
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