脳卒中あるある!: CAMRの流儀

目安時間:約 12分

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みなさん、ハローです!



あるある!シリーズの第一弾が出版されました!
西尾 幸敏 著「脳卒中あるある!: CAMRの流儀」
現在、出版記念の無料キャンペーンを実施しています。ぜひこの機会にCAMRのアイデアに触れてみください。



☆★☆★☆★★☆出版記念 無料キャンペーン★☆★☆★☆★☆
著者  : 西尾 幸敏、
書名  : 脳卒中あるある!: CAMRの流儀
無料キャンペーン期間: 11月26日(金)17:00~12月1日(水)16:59
☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆



【はじめに】
 この本は、脳卒中の患者さんが質問してくる内容やセラピストが脳卒中患者さんを見たときに「あるある!」と感じる素朴な疑問を中心に展開されます。たとえば「なぜ麻痺側の手脚は硬くなるの?」、「どうしてまっすぐに座れないの?」、「どうして良い方の脚が出ないの?」、「分回し歩行は治さないといけないの?」といったことです。
 これらの疑問に対して、この本ではできるだけ二つの立場から答えます。一つは伝統的に学校で習う「要素還元論の立場」です。もう一つは現在の日本の学校では教えられていない「システム論」の立場です。 
 このように説明すると多くの人が戸惑います。「二つの異なった立場があるの?」ということに。
 当然ですよね。学校で一つの立場の考え方、見方だけを教えられていると、それが真実であると信じてしまうものです。「それが真実!それが正解だから、それ以外の考え方は間違い」と簡単に信じてしまいます。まあ、他に選択肢がありませんし、権威あるはずの学校でそう教えられれば、そう信じてしまうのが自然です。
 それに実際に今の状況では、学校の考え方を正解として学ばないと国家試験には受からないというのが現実です。それがこの世の中の仕組みですから。教育は権威ある立場の人々の考え方を正解として人々に伝えるものだからです。その仕組みの中では、権威ある人々の考え方が正しいものとされ、尊重されるべきものです。
 そしてそのもう一つの未知の考え方を嫌悪します。だってこれまで自分が真実だと信じ、言葉にし、同僚や後輩に誇りを持って話してきた考え方が「間違っているかもしれない」と、その未知の考え方が脅(おびや)かしてくるからです。これまた無理のない恐れであり、嫌悪です。
 しかし、世の中には様々な考え方があり、対立する考え方も存在するものです。
 中世ヨーロッパでは、キリスト教会を中心として「天動説」が真実とされました。それは神の真理であり、それに異を唱えるものは異教徒とされ、捕らえられ、考え方を矯正され、あるいは焼き殺されました。キリスト教会の考え方を真実として、それに異を唱えるものは「協会の権威を失墜させる恐れ」があるために弾圧されたのです。教会の権威を守るために恐怖が使われたわけです。
 それでも次から次に天動説に異を唱える人達が現れました。実際に自分たちで観察する天体の動きは、天動説の説明では矛盾が出るからです。人の知性は「説明の矛盾」を放っとけないようです。ガリレオ・ガリレイも「それでも地球は回っている!」と言ったとか、言わないとか・・・・
 そして最後には天動説が誤りで、地動説が正しいということになったわけです。
 少し大げさな展開になってしまいましたが(^^;)、実際に臨床に出て、いろいろな脳卒中の患者さんを見ていると、「本当に学校で習ったことは正しいのだろうか?」と思うことに出会います。「もっと他に矛盾のない説明があるのではないか?」と思ってしまいます。
 つまりその一つがシステム論の考え方です。
 むしろ考え方が一つだけというのは恐ろしいものです。「それが真実であり、それさえ理解しておけば良い」となればそこで進歩は止まってしまいます。リハビリも科学を基礎として絶え間なく議論がなされ、進歩を続けるもののはずです。ところが日本ではこの分野は一日千秋の如く変化がないのです。
 つまりこの従来の知識体系には強力なライバルが必要です。「どちらが臨床では有効か?あるいはこの場合はどちらが有用か?」という議論は、お互いを高めあうものです。そういった意味でもここでは二つのアイデアを少しだけ競わせるような流れができれば良いと思っています。読者がこれから考えていくきっかけになれば幸いです。
 とは言っても、僕は「システム論の考え方が真実である」とも考えていません。そんなことは一臨床家にとっては扱いがたいものです。僕達、臨床家にとっては、一つの理論が真実かどうかよりは、目の前の患者さんが少しでも良い状態になるのに役立つかどうかが大事です。
 そこで僕は次のように考えることにしています。
 「理論は、問題を説明し、問題を解決するための道具である」
 道具であれば、真実かどうかは関係なくなります。「スプーンは真実である」などと主張するのはナンセンスです。むしろ道具なら状況によって使い分ける方が自然です。「スプーンはすくって食べるのには便利である」ですよね。大きなお肉を食べるにはフォークとナイフは便利です。カットしてあるお肉ならフォークでも箸でもいけます。うどんはお箸かフォークが便利です。道具というのは課題と状況によって使い分けられるものです。
 つまり理論も「問題を説明し、それによって問題解決の方法を生み出す道具」として考えるのです。「この問題をより良く説明し、解決するにはどちらの理論を使えば良いか?」と考えれば良いのです。「理論が真実かどうか?」にこだわらなければ気楽なものです。そんな面倒な議論は学者さんにでも任せておけば良いのです。
 ヴィトゲンシュタインという哲学者は、天動説か地動説かはどの立場に立って物事を観察するかの違いであると言ったそうです。つまり「地球上に立って空を見上げれば天動説は正しい、太陽の上に立って空を見あげたと仮定すれば地動説は正しい」という訳です。実際、天動説の知識は大航海時代以前から自分の位置を知るためには非常に重要な道具だったわけです。
 さて、CAMR(Contextual Approach for Medical Rehabilitationの短縮形。和名は医療的リハビリテーションのための状況的アプローチ。CAMRは「カムル」と読みます)は、日本生まれのシステム論を基にしたアプローチです。
 CAMRでは、理論は道具として扱うので、学校で習う「要素還元論」の見方も「システム論」の見方も共に、「説明と問題解決の道具」として扱います。それによって、CAMRでは問題解決のための二つの道具、つまり二つの選択肢を持つことになります。このことは僕達の問題解決者としての可能性をより大きくしてくれます。解決の選択肢を二つ持つことになるのです。一つのやり方がダメでも、もう一つの方法を試すことができるからです。
 詳しくは本文で説明しましょう!
 この本を通じて皆様の臨床での問題解決能力が格段にアップすることを祈っております。
 またこの本の出版には、CAMR研究会のメンバーの協力が大きく貢献しています。特に編集の田上幸生氏の目を見張るセンスと努力によることが多いです。ここに感謝申し上げます。
                             西尾 幸敏



【目次】
脳卒中あるある! -CAMRの流儀-
目次
はじめに
第一部 要素還元論とシステム論
第1章 人は機械なのである!-学校で習う要素還元論と機械修理型治療方略
第2章 システム論と状況変化型治療方略
第二部 脳卒中、あるある!
セラピストあるある!(その1)
セラピストあるある!(その2)
第3章 あるある!その1「なぜ麻痺側の手脚は硬くなるの?」
1.学校での説明「硬くなるのは症状である」
2.CAMRの説明 「硬くなるのは運動システムの問題解決である」
3.過緊張と偽解決「問題解決が新たな問題を引き起こす」
コラム 偽解決とは?
4.硬さに対するCAMRのアプローチとは? 「硬さ(支持性)と運動性の調整」
5.「一番安定する状態に落ち着く」という運動システムの性質「自己組織化」
6.多要素多部位同時治療方略-CAMRの治療方略
第4章 あるある!その2「運動時の緊張や努力は硬さを強めるから、緊張する動作や努力するような動作は避けた方が良い?」
1.学校で教える考え方「過緊張の状態は良くないことなので避けよう!」
2.CAMRの説明「過緊張でも多様・多量に使うことで運動リソースと運動スキルの変化が起きる」
3.「運動リソースを豊富にして、運動スキルを多彩にする」-課題達成治療方略
4.「多要素・多部位同時治療方略」と「課題達成スキル治療方略」-CAMRの二つの中心的治療方略
第5章 あるある!その3「手がどこにあるかわからない。人から借りたもの、他人の手のようだ」 -因果関係にまつわる誤解について考える
1.Carr & Shephardらの報告
2.因果関係にまつわる誤解の例
3.リハビリ領域でよくある因果関係の誤解
第6章 あるある!その4「プッシャー・シンドロームって訳わかんないよね」
1.学校で教える説明「高次脳機能障害?」
2.CAMRの説明「健康時方略」
3.セラピストと患者さんが協力して作り出す「プッシャー・シンドローム」
4.正しさ幻想を捨てましょう!
第7章 あるある!その5「分回し歩行は治すべき?できるの?」
1.学校で教える説明「異常歩行である!」
2.CAMRの説明「”異常”ってどういうこと?」
3.ただし、機能的に改善できる場合が多い
4.形の変化を目標にしない-状況性という性質
コラム 「人の運動システムは機械とは全く異なる性質を持っている」
世の中、あるある!
第8章 あるある!その6「おかしい!良い方の脚が出ない・・・」
1.学校あるいはCAMRの説明
《おまけ》CAMRでよく使う評価法Auto-estimatics
1.Auto- estimatics(オートエスティマティクス)という評価法
終わりに
《参考文献》
編集後記
CAMR研究会について
著者紹介
著書


【CAMRの基本テキスト】

西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


【あるある!シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 著「脳卒中あるある!: CAMRの流儀」


【運動システムにダイブ!シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 他著「脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密」運動システムにダイブ!シリーズ①


【CAMR入門シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①

西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②

西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③

西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④

西尾 幸敏 著「リハビリの限界?:セラピストは何をする人?」CAMR入門シリーズ⑤


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CAMR入門シリーズ⑤リハビリの限界?セラピストは何をする人?

目安時間:約 13分

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みなさん、ハローです!


CAMR入門シリーズの第五弾が出版されました!

出版を記念して以下の詳細にて無料キャンペーンを実施します。ぜひこの機会にCAMRのアイデアに触れてみください。


☆★☆★☆★★☆出版記念 無料キャンペーン★☆★☆★☆★☆
著者  : 西尾 幸敏
書名  : リハビリの限界?セラピストは何をする人?
無料キャンペーン期間: 7月21日(水)16:00~7月26日(月)15:59
☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆


【はじめに】
この本はCAMRのFacebook pageに掲載された「リハビリの限界?どうしても良くならない」(2020年1月7日~2020年2月4日の計5回)を大幅に加筆・修正したものと「セラピストは何をする人?」(2021年3月16日~2021年4月13日の計5回)を合わせたものです。


この二本を組み合わせた意図は、本書の編集責任者でありCAMR研究会副代表の田上氏が編集後記に述べています。


僕は若い頃から、リハビリの場面ではいろんな考えに惑わされてきました。
代表的な考え方は「セラピストが諦めたらダメだ!諦めずに頑張ったらいつか目標が達成できる。それが私たちの仕事で大事!」という信念めいた考え方でしょうか。いや、確かにその通りなので反論のしようがありません。でもこれが達成不可能な目標、たとえば「リハビリで麻痺を治す」とか「この患者さんが家で絶対に倒れないようにする」などに向けられると大変です。


患者さんとセラピストが一緒になって「麻痺を治す」という目標を持ってしまうと、延々と停滞の状態、つまり変化のない状態でのリハビリとなってしまいます。現状、麻痺はリハビリでは治らないからです。そして人生の目標はリハビリをやり続けることというリハビリ漬けみたいな人生になるかもしれません。


また、もしまったく転倒させないことを目標にするなら、筋力強化よりは立ったり歩いたりしないことかもしれません。歩く限り転倒の可能性はついてまわるからです。


この「何があっても理想を実現するまでは諦めない」という姿勢はユートピアン・シンドロームと呼ばれます。達成不可能な夢を追い続けるという行為で、むしろ「理想を諦めないで努力し続ける」ということ自体が目的となっています。そのために患者さんの運動問題を解決するのではなく、むしろ運動問題をずっと維持し続けるという結果を引き起こします。


もう一つの代表的な考え方は、「リハビリの業務は、運動能力を改善すること」というものです。「リハビリで扱う運動問題は、運動能力の低下による問題であり、これに対処するにはリハビリで運動能力を改善することである」とも言えます。もっと明確に表すと「リハビリの主目的は運動能力の改善」と信じることです。もちろんこの考えはここまで明確な形をとらないことが多いのです。「身体ばかりでなく、全人間的に見るのがリハビリ」と言われたりするからです。でもこれは私たちの考えの背景にずっしりと居座っています。


これは私たちが学校で習う、要素還元論を基にした「原因解決の方法論」に起源があるように思います。私たちは問題が起きると、その原因を探りその原因にアプローチして問題解決を図るように習ってきました。多くの場合身体に原因があるので、どうしても身体をどうにかしようとするのですね。


これは脳性運動障害では、「麻痺は脳細胞が壊れたことが原因であるから、壊れた脳細胞を再生させる、あるいは機能的に再生させる」として「麻痺を治そう」、あるいは「障害を治そう」というユートピアン・ドリームにも繋がっています。


また転倒しやすいのは、「筋力低下やバランス能力の低下にある」としてやはり身体能力の改善に徹底的にこだわったりする傾向を生み出します。転倒の原因は単純に筋力低下やバランス能力低下などの単純・素朴な因果関係で説明できるものばかりではありません。環境や性格や認知など様々な要素の相互作用と考えるべきでしょう。しかし運動能力だけに焦点を当ててそればかりをやってしまいがちな傾向を生み出すのです。



これらの「ユートピアン・シンドローム」や「運動問題の改善には運動能力の改善をすること」は私たちの思考の背景に居座っていて、表面的に正論ぽくて、すぐに否定が難しいのでやっかいです。ここではこれらの代わりの考え方を提案しています。ユートピアン・ドリームの代わりに「比較的短期間で達成可能な目標」です。私たちが対象とする問題は「運動問題」ではなく「生活問題」です。「障害を治して運動問題を解決する」のではなく「状況を変化させて生活問題の改善を目標とする」です。「原因を追及して原因にアプローチする」代わりに「状況を変化させるアプローチ」を提案してします。


実は僕自身がユートピアン・ドリームに囚われたり、身体能力の改善だけに焦点を当てたりしていた時期もあります。これらの考え方に囚われると、目の前の患者さんの全体像が把握できなくなって問題解決が遅れたり、できなくなったりすることがありました。


たとえば目の前の患者さんの抱える問題より、将来の麻痺の治った状態を夢見たりするわけです。結果、環境を少し調整すれば消えてしまうような生活問題も、ずっと身体能力の改善(麻痺を治す)を通して解決しようとして停滞の状態に陥ってしまうのです。「今、我慢して頑張れば将来はきっと素敵な人生が待っている」と患者さんや家族に過剰な努力を強いたりしてしまうのです。現実的に、そして持続的にも達成可能な目標ではないのですね。


まあ、これらの反省を基にこのCAMRというアプローチは発展してきたのです。
内容的にはまだ不十分ですが、現状に満足していないセラピストには一つの大きなヒントになるのではないだろうかと考えています。


2021年7月初旬 年々強くなる雨に恐れを抱きながら
西尾幸敏



【編集後記】
本書はCAMR入門シリーズの第五弾となります。いかがだったでしょうか?
今回はセラピストとしての在り方をテーマとした二部構成になっています。第一部は、困難事例だからといってすぐに諦めたりせず、なおかつ夢見るユートピアンにもならずにすむ現実的な方法論、状況変化アプローチが紹介されています。


通常養成校で習うのは、要素還元論に基づく原因解決アプローチです。これも優れた方法論の一つではありますが、原因を特定できない場合や、原因はわかっても対処不能な場合などには無力になってしまいます。そんな時に他の方法論を知らなければ、行き詰まって問題解決を諦めてしまうか、ユートピアンとなって効果のほどもわからないまま漫然と同じプログラムを繰り返すことにもなりかねません。


たった一つの方法論しか知らないセラピストと、二つの方法論を状況に応じて使い分けることが出来るセラピストがいるとしたら、あなたはプロのセラピストとしてどちらが好ましいと思いますか?あるいは、もしあなたがクライエントだったとしたら、どちらのセラピストに担当してもらいたいと思いますか?ぜひ考えてみてください。


そして、ここでは運動システムによる問題解決の一つである「安心確保方略」をとる症例が取り上げられ、臨床像やアプローチの例が紹介されています。訓練場面でのパフォーマンスが生活場面でのパフォーマンスに反映されにくいケースというのは、みなさんも経験されたことがあると思います。昔から「“できるADL”と“しているADL”の違い」といったテーマでも取り上げられています。“できるADL”と“しているADL”ではそもそも課題が異なっているので違っていて当然という面もあるのですが、それとは別に、こういったケースの中には「安心確保方略」をとっているものもいくつか含まれているのかもしれません。今ならそれを見抜き、ケースごとにもっと適切な対応が出来ると思うのですが・・・、自身の過去を振り返ると反省しきりです(;^_^A


第二部では、著者の経験を振り返りながらセラピストとしての在り方を考察しています。時代背景的にもちょっとしたリハビリの歴史を概観しているかのようです。ここではセラピストの役割に焦点を当てつつ、著者の現時点での結論が述べられています。クライエントへのリスペクトやプロのセラピストとしての矜持が感じられ、個人的にはとても共感できるものでした。みなさんはどう思われたでしょうか?


CAMR入門シリーズにしては少し重めの内容だったかもしれませんが、その分読み応えがあったのではないかと思います。本書をCAMR入門シリーズのラインナップに加えることができて嬉しく思います。本書が少しでもみなさんのお役に立てることを願っています。最後まで目を通していただき、ありがとうございます。


2021年7月 ビールが美味しくなってきた今日この頃
CAMR研究会副代表 田上 幸生


【目次】
CAMR入門シリーズ⑤ リハビリの限界? セラピストは何をする人?
はじめに
目次
第一部 リハビリの限界?どうしても良くならない!
第1章 安心確保方略をとる片麻痺患者
1.症例紹介
2.順調な改善、かと思いきや・・・
3.「安心確保方略」の正体
4.通常のアプローチは・・・
第2章 リハビリの限界?
1.リハビリの限界と個人の限界
2.リハビリの限界とは?
3.生活課題達成上の運動問題に着目する
第3章 状況変化アプローチ
1.問題解決を見てみよう
2.「安心確保方略」が見られる場合はどうするか?
3.結果は・・・
4.考察
第4章 失禁のある症例への状況変化アプローチ
1.症例紹介
2.現実的な問題解決のための目標と治療方略を考える
3.できることは何でもやる
4.結果
5.状況変化アプローチの手法とは
第二部 セラピストは何をする人?
第5章 従来的なパラダイムへの疑問
1.セラピストは運動のやり方を教える人?
2.おじいちゃんの一喝
3.ボバース全盛時代
4.湧き上がる疑問
5.人間機械論
第6章 システム論との出会い
1.上田先生との出会い
2.アメリカ留学中に見た課題主導型アプローチ
3.課題主導型アプローチへの疑問
4.自分の経験や考えをまとめてみる
5.現場復帰 ~CAMRの胎動
第7章 脇役としてのセラピスト像
1.セラピストは何をする人?
2.集え!Young CAMRer!
編集後記
CAMR研究会について
著者紹介
著書


【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


【運動システムにダイブ!シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 他著「脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密」運動システムにダイブ!シリーズ①


【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③
西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④
西尾 幸敏 著「リハビリの限界?セラピストは何をする人?」CAMR入門シリーズ⑤


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運動システムにダイブ!シリーズ①脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密

目安時間:約 9分

≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!

運動システムにダイブ!シリーズの第一弾が出版されました!


西尾 幸敏 田上 幸生 著「脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密」運動システムにダイブ!シリーズ①


出版を記念して以下の詳細にて無料キャンペーンを実施します。ぜひこの機会にCAMRのアイデアに触れてみください。



☆★☆★☆★★☆出版記念 無料キャンペーン★☆★☆★☆★☆
著者  : 西尾 幸敏、田上 幸生
書名  : 脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密
無料キャンペーン期間: 6月30日(水)16:00~7月4日(日)15:59
☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆



【はじめに】
 この本はCAMRのFacebook pageに掲載された「5分でわかるシステム論」(2019年10月15日~2019年11月19日の計6回)を大幅に加筆・修正したものです。むしろ加筆・修正が大幅すぎて、まったくのオリジナルと言った方が良いでしょう。


 思えば昔、僕が脳卒中患者さんを見始めたときには、「どうしたら良いものか」と悩んだものです。


 たとえば患者さんが立った時に、麻痺側の下肢が全体に屈曲して持ち上がり、患者さんは良い方の手脚だけで立たれます。これは「屈曲共同運動という現象であり、抑制されなければならない」と講習会などで説明されます。そこで自分の手を使って、患者さんの脚を抑えてまっすぐにし、床につけようとするのですが、一向に改善した感じがないのです。「手を使って、脚をまっすぐにして体重を支えるようにする」ことが正しいのかどうかさえ、分からないまま実施していました。


 これはそもそも「屈曲共同運動」が何者で、どんな性質や意味があるか分からないので、形だけ真似て脚をまっすぐにしようとするからです。


 一方、システム論を基にしたCAMR(カムルと呼びます。Contextual Approach for Medical Rehabilitation: 医療的リハビリテーションのための状況的アプローチの短縮形です)では、この現象を次のように説明していきます。


 麻痺側下肢を発症後初期に使おうとすると、麻痺のため支持性がなくてこけそうになります。つまり麻痺側下肢を使おうとすると立つという課題達成に失敗するのです。そこで患者さんの運動システムは立位課題に失敗しないように患側下肢を使わずに、健側上下肢と手すりを使って立とうとします。つまりこれは運動システムが選んだ患側下肢の「不使用」という問題解決方法なのです。


 しかし障害後に運動システムが選んだ問題解決方法は、たくさんの筋力などのリソース(資源)が失われて、仕方なく応急的に使われる解決方法です。「使うと失敗するので使わない」という問題解決方法は、その時は良くても、「使っていれば将来的には使えるようになるはずの麻痺側下肢」の可能性を失わせてしまいます。


 このように理解すると、単に脚の形をまっすぐにしようというのではなく、形はどうあれ、まずはできるだけ使ってもらうことが大事であることがわかってきます。


 そして運動システムが障害後に立つために選んだ問題解決なのです。「屈曲共同運動」というと、中枢神経システムの中の正体不明のメカニズムが相手でどうしたら良いのか分からなくなりますが、運動システムが選んだ問題解決なら、もう一度運動システムに「使う」ように選び直してもらえば良いのです。


 単に脚の形を矯正するのではなく、患側下肢に重心を移動してもらい、ちゃんと荷重・支持する経験を繰り返し、運動システムに「この脚は繰り返し使っていると、支持性が増して使えるようになるよ」という知覚学習をしてもらえば良いのです。


 このようにシステム論のような従来と異なった解釈の立場に立って理解すると、リハビリテーションのアプローチを自分で考え出したりすることもできるようになります。そうすると自分が何をするべきかがよく分かって、リハビリという仕事もとても面白くなります。


 この本ではシステム論を基にしたCAMRの考え方を紹介しています。このCAMRは、「運動システムの視点に立つ」という独自の方法論を持っています。つまり運動システムにダイブ(飛び込む)して、運動システムの立場から人の運動システムの振る舞いを理解しようという視点です。難しそうに思われるかもしれませんが、実際にやってみるととても簡単です。


 今の仕事の内容ややり方、結果に満足していないなら、この本を通じてきっと新たな可能性を見つけられると確信しています。


2021年6月 最初の発刊に寄せて
                           西尾幸敏 田上幸生 


 【目次】
運動システムにダイブ!シリーズ① 脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ! ~CAMR誕生の秘密~
はじめに
目次
第一部 運動システムの立場に立ってみましょう!
第1章 異なる立場、異なる理解
1.自分の立場を知る
2.学校教育の立場
3.システム論の立場
4.システム論の立場で見る例
5.要素還元論とシステム論
6.異なる立場の視点を自由に行き来する
第2章 システム論の視点を身につける方法論
1.運動システムの作動の性質を理解する
2.運動システムにダイブし、内部から観察してみる
第3章 健康な若者の運動システムにダイブ!
1.お腹が空いた場面
2.内部からの観察
3.嫌いな父親と一緒にいる場面
4.内部からの観察
5.運動システムの作動の性質(①、②)
第4章 廃用症候群のご老人の運動システムにダイブ!
1.水を飲みたい場面
2.内部からの観察
3.運動システムの作動の性質(③、④、⑤)
4.行動範囲が広がっていく場面
5.運動システムの作動の性質(⑥、⑦、⑧)
第5章 あなた自身の運動システムにダイブ!
1.歩いている場面
2.運動システムの作動の性質(⑨)
3.運動システムの作動の性質のまとめ
第二部  脳卒中片麻痺の運動システムにダイブ!
第二部へ進むにあたって
第6章 救急外来に運び込まれた場面
1.外部からの観察
2.運動システムの視点
3.Camrer's Note
第7章 初回セッションの場面
1.外部からの観察
2.運動システムの視点
3.Camrer's Note
第8章 初めての座位訓練の場面
1.外部からの観察
2.運動システムの視点
3.Camrer's Note
第9章 2回目の座位訓練の場面
1.外部からの観察
2.運動システムの視点
3.Camrer's Note
第10章 初めての起立練習の場面
1.外部からの観察
2.運動システムの視点
3.Camrer's Note
第11章 その後の立位練習の場面(その1)
1.外部からの観察
2.運動システムの視点
3.Camrer's Note
第12章 その後の立位練習の場面(その2)
1.外部からの観察
2.運動システムの視点
3.Camrer's Note
ちょっと一服・・・《CAMRにとっての理論とは?》
第13章 初めての歩行練習の場面
1.外部からの観察
2.運動システムの視点
3.Camrer's Note
参考までに・・・《スベラースの紹介》
最後に
CAMR研究会について
著者紹介
CAMRの本


【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


【運動システムにダイブ!シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 他著「脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密」運動システムにダイブ!シリーズ①


【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③
西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④


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CAMR入門シリーズ④正しい歩き方?:俺のウォーキング

目安時間:約 5分

≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!
CAMR入門シリーズの第四弾が出版されました!


西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④



本書はCAMR入門シリーズの第四弾となります。


今回は歩行をテーマとした二部構成になっています。第一部は、シリーズ前作「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!~運動と状況性~」と似た流れで、運動の形から運動システムの作動の特徴へ、評価の視点の転換をオススメしています。


CAMRではお馴染みのアイデアですが、人の運動システムは運動の「形」を維持するシステムではありません。歩行などは良い例で、普通にアスファルトの上を歩いている時はいわゆる「正常歩行」に近い形で歩いていても、路面が凍結した場所では、少し腰を落として背中を丸めて小刻みに歩きます。あたかもパーキンソニズムでもあるかのように。


要するに運動システムは「形」などはいかように変えてでも、安全・快適な移動という課題を達成するための「働き」を維持しているわけです。このような運動システムの作動の特徴こそが、「形」の奥に横たわる本質だと考えられます。



第二部は著者の体験に基づく物語で、「課題を中心に運動が自己組織化される」というテーマが、スリリングなデュエルを通して展開していきます。膝や股関節の痛みが改善し歩行の形が変わっていく一連の過程は、僕たちの臨床にも多くの示唆を与えてくれるものと思います。



どちらも楽しく気軽に読める物語でありながら、しっかりとCAMRの考え方が盛り込まれています。


効果的な英語学習法の一つに「多読」というものがあるのですが、これはやさしい英文にたくさん触れることで英語の基本構造や仕組みの理解を促すというものです。そういった土台ができると、その後の学習がとても楽にスムーズになります。そしてこの方法論は、新しいアイデアを血肉化する際にも有効だと経験的に感じています。CAMR入門シリーズを、そんな多読用ツールとしても活用していただけると嬉しいです。



本書がCAMRの理解を深め、日々の臨床を豊かにする一助となることを願っております。引き続きCAMR入門シリーズをよろしくお願いいたします。



目次
CAMR入門シリーズ④ 正しい歩き方? 俺のウォーキング
目次
第一部 正しい歩き方?-そんなに形が大事か?
第1章 「正しい歩き方」に物申す
1.世間に広まっている「正しい歩き方」
2.個人的な事情もある
第2章 形の奥に横たわる本質を見る
1.同化思想に与していないか?
2.運動の形の評価から作動の特徴への評価へ
3.ある新人セラピストからのメッセージ
4.他人の運動を支配できる人などいない
5.とはいえ「きれいに歩きたい」という人は実際にいる
6.こんな風に伝えたい
第二部 俺のウォーキング:理学療法士らしく
第3章 俺の健康問題
1,俺の決意
2.俺の膝の物語
3.俺の膝痛対策の詳細
4.俺の股関節の物語
5.俺の狙いと方略
第4章 俺の戦い「デュエル・ロード戦記」
1.俺を襲う不測の事態
2.俺のリベンジプラン
3.俺のトレーニング
4.俺の挑戦
5.自己組織化された俺の歩き方
編集後記
CAMR研究会について
著者紹介
著書



【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版



【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③
西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④



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CAMR入門シリーズ③ 正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性

目安時間:約 4分

≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!



システム論の話をしましょう!」「治療方略について考える」に続いて、CAMR入門シリーズの第三弾が出版されました!



西尾 幸敏(著)「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③



本書はCAMR入門シリーズの第三弾となります。今回は「ピリッ」とスパイスのきいた内容です。



本書では「正しさ幻想」として、セラピストが比較的陥りやすい盲点を指摘しています。具体的には二つ挙げており、一つは「正常運動」とも呼ばれる、健康な若い人が実験室の中という普段の生活ではあり得ないような特殊な状況で行なった運動を「正しい運動」としてモデルにすることについて、そしてもう一つは、脳卒中治療ガイドラインなどに代表されるような、EBMを背景にしたプログラム選択の指針について言及しています。



どちらも適切に用いればとても有益なのですが、動作分析に際しては運動の形の奥にあるものへの眼差しの必要性を指摘し、プログラム選択にあたってはしっかりと状況を見て自ら考えることの大切さを訴え、いずれの場合にもただ頭から盲信してしまうことへの注意を呼び掛けています。



僕は人一倍思い込みが強く頑固な方なので、このあたりのことには本当に苦労した記憶があります。読者のみなさまにおかれましても、盲信の罠にはまっていないか、ぜひ一度自らの臨床を省みる時間を持っていただきたいと思います。



Camrer(カムラー:CAMRを実践する人)の一人として特に興味深かったのは、第3章から第4章にかけて、具体的な症例を挙げて説明している部分です。


なかでも、脳血管障害後の筋緊張の亢進を患者さんによる「問題解決」と捉えているところは、CAMRの真骨頂といっても過言ではないでしょう。なぜなら、脳血管障害後の筋緊張の亢進は通常「症状」と捉えられているからです。そのような常識を前にしながら「問題解決」と捉えることは、理論を道具と考え、システムを内部から観察するCAMRの視点をもって初めて可能になります。


(CAMRの視点をもう少し詳しく知りたい方は、CAMRの基本テキスト西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版をご参照ください)




目次
CAMR入門シリーズ③ 正しさ幻想をぶっ飛ばせ! ~運動と状況性~
この本について
目次
第1章  「たった一つの正しさ」を追い求める社会病理
1.巷にあふれ返る「正しさ幻想」
2.正しい歩き方? ~セラピストが出会う「正しさ幻想」
3.運動は真空中で起きているのではない
第2章  運動と状況性
1.患者さんからの怒号を浴びて
2.状況の中での運動
3.健常者の歩行の特徴は、形ではなくその作動にある
4.前節の補足説明 ~疑問の声にお応えして
第3章  「正しさ幻想」が招いた悲劇
1.正しいアプローチ?
2.症例紹介
3.ガイドラインに沿ったプログラムではあるが・・・
4.いろいろなところに潜んでいる盲信の罠
第4章  CAMRの視点
1.運動システムの作動原理
2.症状か?問題解決か?
3.問題解決方略を見抜け!
4.多要素多部位同時治療方略
5.理論は道具、状況に応じて使い分ければ良い
6.正しさ幻想をぶっ飛ばせ!
編集後記
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著者紹介
著書



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CAMR入門シリーズ② 治療方略について考える

目安時間:約 4分

≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!



システム論の話をしましょう!」に続いて、CAMR入門シリーズの第二弾が出版されました!



西尾 幸敏(著)「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②



 リハビリの世界では、いろいろなテクニックや手技があり、多くのセラピストは様々な講習会や研修会などに参加し、それらの技術を身につけようと努力していることと思います。ところが治療方略となるとどうでしょうか?意外と意識が向いていない人が多いのではないでしょうか?



 しかし実際に何かのテクニックを用いるにしても、でたらめにテクニックを駆使しても必ずしも効果的ではないかもしれません。テクニックを戦術と考えれば、それを用いる戦略が必要になります。この戦略が、ここでいう治療方略にあたります。


もちろん、一般のセラピストもでたらめにテクニックを用いているわけではありません。きちんと治療方略に基づいて実施しています。ただ、その治療方略というのが養成校時代に習い、またそれ以前からも長く親しんだ方略がほとんど自動的に用いられていることが多いようです。



 本書では一般的なセラピストが養成校時代から慣れ親しんできた治療方略を、要素還元論に基づく「機械修理型治療方略」と分類しています。分類するということは別の治療方略も当然あるわけで、素朴なシステム論に基づく「多要素多部位同時治療方略」と「クライエント-セラピスト協働型治療方略」の二つが本書の中で紹介されています。



 たった一つの治療方略しか知らずに臨床に向き合うより、複数の治療方略を理解した上で状況に応じて使い分けた方が、問題解決能力が高まるであろうことは容易に想像できると思います。ちょうど龍馬君が試行錯誤の中で気づきを得て、見事問題を解決していったように。



 さて、本書で紹介されている素朴なシステム論は、西尾によるシステム論の分類でいえば、三つのうちの一番目になります。二番目、三番目の考え方に基づいて、治療方略もさらに広がりを見せて行くことでしょう。(システム論の分類については、シリーズ前作「システム論の話をしましょう!」に記載されていますので、興味のある方はこちらもご参照ください)



【目次】

CAMR入門シリーズ② 治療方略について考える
この本について
目次
第1章 治療方略再考
1.治療方略について考えることの意義
2.養成校で学ぶ治療方略
3.人とロボットの運動システムの作動の性質の違い
4.機械修理型治療方略への疑問
第2章 龍馬君がゆく
1.要素還元論に基づく機械修理型治療方略の限界
2.素朴なシステム論に基づく治療方略への気づき
第3章 「龍馬君がゆく」の解説
1.要素還元論から素朴なシステム論へ
2.一時的な変化と持続的な変化~運動システムの揺らぎ
3.問題解決の主導権は誰の手に?
第4章 素朴なシステム論によって生まれるアプローチの体系
1.言語化されない臨床知
2.素朴なシステム論の視点から理解した運動システムの作動の性質
3. 素朴なシステム論に基づく治療原理
4. 素朴なシステム論に基づく治療方略
編集後記
CAMR研究会について
著者紹介
著書



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CAMR入門シリーズ① システム論の話をしましょう!

目安時間:約 4分

≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!



ついに待ちに待ったCAMR入門シリーズの電子書籍が誕生しました!

西尾 幸敏(著)「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①



このシリーズは、CAMRのFacebookページに投稿された記事を中心に組み立てられていく予定です。特色はなんといっても、「わかりやすさ」と「楽しさ」だと思います。取り扱っているテーマやアイデアは決して簡単な内容ではありませんが、それゆえにこの二点を意識した工夫が随所にちりばめられています。内容の直感的な理解を助けるユーモラスなイラストなどはその代表的なものでしょう。



もっともこれらの工夫や試みが成功したかどうかは、読者の評価に委ねるしかありません。ぜひ本シリーズを手に取っていただき、評価者の一人としてもこの企画に参加していただけると幸いです。



さて、記念すべきシリーズ第一弾は「システム論の話をしましょう!」です。システム論のアイデアは抜群に面白いのですが、いざ臨床応用しようとすると何をどうすればいいのかわからず路頭に迷うという経験をしたことがあります。



そんなある意味捉えどころのないようなシステム論ですが、本書では明確に臨床応用に結びつけられた分類が提案されています。なかなか興味深い提案だと思うのですが、みなさんはどう思われるでしょうか?



アメリカでの徹底的な議論の末、Ⅱ step conference(1990年)においてリハビリの世界に産声をあげたシステム論は、早いものでもう31歳を迎えました。



「ようやく僕が活躍できる新しい舞台が出来てきたようだね。そろそろ出番かな?」



こんなシステム論の心の声が、さわやかな春の風にのって聴こえてくるようです。ぜひみなさんも耳を澄まして、この声を感じとっていただけたら嬉しいです。


【目次】
CAMR入門シリーズ① システム論の話をしましょう!
電子書籍発刊に寄せて
はじめに
第1章 システム論の分類
1.河本の分類
2.西尾の分類
第2章 素朴なシステム論的アプローチ
1.常識的な考え方の傾向
2.素朴なシステム論的アプローチ(第一段階)
3.素朴なシステム論的アプローチ(第二段階)
第3章 外部から作動を見るアプローチ
1.why?(なぜ?)の視点とhow?(どのように?)の視点
2.課題主導型アプローチ
3.運動をリソース(資源)とスキル(技能)の視点で見る
4.課題達成をリソースとスキルで説明する
5.アメリカの課題主導型アプローチの現場を見学して
6.課題主導型アプローチの問題点
第4章 内部の視点から運動システムの作動を見るアプローチ(CAMR)
1.内部の視点から運動システムを見てわかったこと
2.運動システムの作動の性質
3.問題解決が新たな問題を生み出す
第5章 システム論の視点のまとめ
1.リハビリに使えそうなその他のアイデア
2.人の運動システムの作動の性質を基にした治療方略へ
CAMR研究会について
著者紹介



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