大森荘蔵を読む!(その2)

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今回は「大森荘蔵を読む!(その2)」です。



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大森荘蔵を読む!(その2)



 哲学というと小難しく感じるかもしれませんが、秋山副代表の言う通り「ものの見方」と捉えれば、結構お気楽に楽しめます。「ああ、こういう考え方もあるのか!」「こういう考え方をしてもいいんだ!」といった新鮮な発見があった時は、とても嬉しくなります。



 CAMRにおいては、「理論は道具」と考えています。極端に言えば、ある理論が正しいかどうかは気にしません。ましてや真実かどうかなんて誰にもわからないことも意に介しません。臨床で役に立てば良しとします。


 前置きが長くなりましたが、また前置きが始まります・・・。



 リハビリの臨床現場では何らかの障害があった場合、その「原因を考える」ことが重要だとされています。例えば活動レベルに問題があった場合、Impairmentレベルにその原因を求めていくわけです。これは要素還元論と言う、とても有効で強力な方法論です。実際この方法論は、「我思う、ゆえに我あり」で有名な近代哲学の父、ルネ・デカルトによる心身二元論をベースに益々発展し、17世紀の科学革命や18世紀から19世紀の産業革命に多大な貢献をしたと言われています。



 しかし、そんな大成功をおさめた要素還元論ではありますが、必ずしもいつもうまくいくとは限りません。特にその作動の仕組みについてよくわかっていないシステムにおいて、要素還元論を用いて単純に因果関係を想定すると、間違った結論を導いてしまう可能性があります。丁度、CAMRホームページ「人の運動変化の特徴 その5 因果関係の罠(その1)」に紹介されている、ビアによる自動車の例のように。



 僕たちは結構気軽に「○○の原因は××だ」と言ったりしていますが、実はこのような原因結果の概念は混乱の元になる、と大森は言います。CAMRホームページ「人の運動変化の特徴 その6 因果関係の罠(その2)」に紹介されている、稲妻(ピカッ)と雷鳴(ゴロゴロ)の関係もその一例と言えるでしょう。



 これらはいずれも雲と雲、あるいは雲と地面の間の放電現象の一部で、一方は電磁波として、一方は空気振動として僕たちの五感に達します。本来どちらが原因でどちらが結果とは言えないものなのですが、通常僕たちは時間差を持って、稲妻(ピカッ)→雷鳴(ゴロゴロ)の順に体験するために、ついついそれらを原因と結果に結び付けて考えてしまうようです。



 大森は混乱を避けるために、原因結果の概念の代わりに「因果連関」という言葉を用いています。この言葉は、原因→結果といった明確で直線的な関係ではなく、もう少し緩やかなつながりを想定しているものと思われます。しかし厳密に見ていくならば、この因果連関が成り立つことでさえ、かなりのハードルをクリアしなければならないようです。



 ここではとりあえず、大森荘蔵著作集 第二巻「前期論文集Ⅱ」,岩波書店,1998.より「決定論と因果律」「記号と言語」あたりを参考に紹介してみようと思います。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆



【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版



【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③



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CAMRの旅お休み処 シーズン3 その3

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★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆



CAMRの旅お休み処 シーズン3 その3
「軌跡が決まるのは奇跡的?なんちゃって (^^;) ベルンシュタイン問題続きの続き」



 秋山です。タイトルにこりすぎると、ろくなことはないのですが・・・。



 その昔、私は養成校の教官をしていまして。その頃の悩みの種が「作業分析」の講義ノート作りでした。当時の教科書には、作業の一般的な分析をやれ、と載っていまして、社会的な意味や精神面への影響などとともに運動についても話さなければなりませんでした。



 この作業を遂行するときにどんな動きが必要で、その動きのためにはどこの関節がどの方向にどれくらい動いて、その筋肉は・・・とやるのですが、考えれば考えるほどロボットみたいな動きになるし、使う筋肉も姿勢も入れれば結局全身か?ということになってしまいます。



 学生さんに、「この工程の動きの関節可動範囲はこれでいいのですか」と質問されても、「うーん、良いと言えば良いような、それだけじゃないといえばないような」と何とも曖昧な返事で。(当時の皆さん、すみません) 机の上のコップを持つ、という時、人によって動きは違うし、肝心なのはコップまで手が届くことなのに、肩関節がどうとか肘が・・・というのは本筋ではないと思いながらも、共通の一つの答えを探しているようなものでした。



 長々と思い出話をしてしまいました。



 コップに手を伸ばした時、一度として同じ軌跡を通りません。一回ごとに通り道や速度は異なります。環境が同じでも同じ軌跡を通らないし、ましてや環境が異なればそれに応じた軌跡を通るでしょう。当たり前といえば当たり前ですが、正しいやり方を求めていると見落としてしまいます。



 軌跡は異なるのですが、同じ結果を生み出すことができます。手がどう通っていってもコップをちゃんと持てる。この辺のことは、CAMRホームページ 人の運動変化の特徴 その2 異なった方法でいつも同じ結果を出すこと をご覧ください。



 ふー、やっと先に進めるかな。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆



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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その壱

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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その壱
  「人によって、同じ"状況"を見ているとは限らない」2013/2/16



 CAMRの旅も一巡りし、シーズン2に突入です!基本的な概念や用語については、ホームページの「人の運動変化の特徴」や「論文紹介」が充実してきましたので、少し横道にそれながら道草してみようと思います。



 ホームページの論文その3に、「状況一体性」が説明されています。当アプローチは「状況」が重要な言葉ですが、これがなかなか一筋縄ではいきません。今、目の前に広がっている「状況」は、あなたの目にも私の目にも同じように映っているのでしょうか? こう書いて、「そうです」とくるわけはなく、「そうではない」ときそうですが、ここは「そうではないかもしれない」です。



 ここで言う状況は、単にものの物理的配置を指すのではありません。客観的に物理的配置を述べたつもりでも、何を取り上げるかで記述者の思い(考え)から逃れることはできません。それを見る人の思いや考えを通して認識したものが、その人の捉えている状況です。これは他の人と一致していることもあれば一致しないこともある。同じ映画を見ても友達と感想が違う、と考えると当たり前のことでしょう?



 一致することが良いことでも悪いことでもありませんね。一致させる必要性もない。そんなものなのだ、と思っておく、というところですね。



「だから、なんだ?」と思われるかもしれませんが、寄り道ですから・・・。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆



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知恵の樹を読む!(その1)

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知恵の樹を読む!(その1)2013/1/26
\(^o^)/田上です。お疲れ様です。
 CAMRホームページの「人の運動変化の特徴」(その3)の中で 、おススメの書籍が紹介されています。ウンベルト・マトゥラーナ 、フランシスコ・バレーラ;「知恵の樹」,管 啓次郎訳,朝日出版社,1987.(文庫本にもなっています。ち くま学芸文庫,1997.)



 マトゥラーナとバレーラ(ヴァレラと日本語表記されることもある )といえば、「オートポイエーシス」の提唱者として高名ですね。 これは僕にとっては驚天動地の書です。凝り固まった頭を、脳天か ら金槌で「ガツン」とぶん殴られたような感じです。



まずは目次を紹介しておきます。
第一章 「いかにして知るのか」を知る
第二章 「生きていること」の組織
第三章 歴史 生殖と遺伝
第四章 メタ細胞体の生活
第五章 生物のナチュラル・ドリフト
第六章 「行動域」
第七章 神経システムと認識
第八章 「社会」現象
第九章 「言語域」と人間の意識
第十章 知恵の樹



 とても知的好奇心が刺激されるラインナップですね! 興味を持たれた方は、是非ご一読ください。 (その2へ続くかどうか未定です。なにしろ、僕にはこの本の内容 がよく理解できていないのです・・・)



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆



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