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今回は「CAMRの旅お休み処 シーズン2 その四」です。
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CAMRの旅お休み処 シーズン2 その四
「Back to the"耳を傾ける".ただ聞くことの難しさ」2013/3/31
読む!シリーズはますますマニアッ、いやいや専門的になってきています(^_^)
「リハビリの夜」シリーズ、完結です。田上さんも書いておられますが、心情という点からだけでなく、運動障害の見方そのものも示唆深い本です。是非、ご一読を。
さて、私見ですが、いわゆる「闘病もの」への反応は大きく2種類あるように感じます。私見ですけどね。
1.目からウロコの、すばらしい本である。一押し!
2.わかるけど、そうは言ってもね・・・、とちょっと引き気味。または、突っこみ。
2種類のうちどちらかと言うより、この2つを対極としたベクトル上のどの辺にいるか、と言った方が良いのでしょう。特に「リハビリの夜」は、独特の言い回しと申しますか、官能的とか同化思想とか、医学の専門書として読むとちょっと違和感を覚える部分があるかもしれません。そういう意味では、少し2.寄りという感想もあるでしょうね。
しかし、よく考えてみると、先の1.と2.は決して二律背反ではないですよね。感じたことから理論を組み立てたとき、理論に関しては別の視点から違う考え方ができるというような議論ができます。感じたことについては、正しいとか間違っているとか言うより、まず「ああ、そう思ったのか」「そういう風に感じることもあるんだな」と受け止めてみる。自分の感じ方と違ったり、痛いところを突かれたりすると、これが難しくなります。つい、判断したり解釈したくなってしまいます(^^;)
判断・解釈が悪いわけではありません。ただ、それらが前提として最初に前面に出てしまうと、クライアントは本音を言えるかな、と思います。これも、言うは易く行うは難し、でして、こちらの胸が波立つときも、「これがクライアントの素直な感想なのだ」と自分に言い聞かせたりする・・・。
今回は、私の悩み処でした。
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今回は「「リハビリの夜」を読む その5」です。
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「リハビリの夜」を読む!(その5)2013/3/16
今日は、(その2)で紹介したセラピストとクライエントの関係性のあり方から、「C.クライエントの体が発する信号を拾わずに介入される〈加害/被害関係〉」についてです。
指示通りに動けない著者に対して、セラピストは徐々に苛立ちを募らせてきます。そして著者を組み伏して、再びストレッチを始めます。しかし今度は最初の時と違って、思い通りの形にならない著者の身体に苛立ち、まるで粘土をこねるかのように、暴力的に押したり引っ張ったりしてきます。
ここに〈ほどきつつ拾い合う関係〉で感じられた心地良さはなく、あるのはただ、「痛み」と「怯え」と「怒り」だと言います。セラピストは著者が発するこれらの信号を拾うことなく、交渉できない他者、しかも強靭な腕力を持った他者として著者の身体に力を振るうのだそうです。
著者はABCの関係性に対応して、自身の体をそれぞれ「ほどかれる体」「まなざされる体」「見捨てられる体」と表現しています。
さて僕たちは、クライエントをまなざした事はないでしょうか? クライエントを見捨てた事はないでしょうか?
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今回は「「リハビリの夜」を読む その4」です。
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「リハビリの夜」を読む!(その4)2013/3/9
今日は、(その2)で紹介したセラピストとクライエントの関係性のあり方から、「B.運動目標をめぐって〈まなざし/まなざされる関係〉」についてです。
ストレッチが終わると、セラピストは課題となる運動を実演し、その後動作指示を出します。著者は、動作を実現するために一生懸命意識を内側に向けています。セラピストは見えない位置にいます。姿の見えない声が、あらがえない力を帯びて「もっと腰を起こして」というふうに命令します。著者から見えない位置にいるセラピストが、一方的に著者をまなざしているという図式です。
著者は「腰はどこだろうか?」と自分の内部を探りますが、うまくいきません。するとセラピストから「違う!ここだよ、ここ!」と指でつつかれます。著者の内部イメージとは異なる場所に腰はありました。それは「他者だ」と著者は言います。「背中も起こして!ここ!」矢継ぎ早に命令が出されます。こうして次々に他者が立ち現われ、身体がバラバラになっていくように感じると言います。
「これがあるべき動きである」という強固な命令とまなざしをヒリヒリと感じながら、焦れば焦るほど命令された動作から脱線していくのだそうです。
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今回は「「リハビリの夜」を読む その3」です。
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「リハビリの夜」を読む!(その3)2013/3/1
今日は、前回紹介したセラピストとクライエントの関係性のあり方から、「A.互いの動きを〈ほどきつつ拾い合う関係〉」について取り上げます。
リハビリ・キャンプに参加した時には、1回1時間半程度のセッションが、1日に3~4回行われていたそうです。まずセラピストがストレッチのような方法でクライエントの身体をほぐします。
セラピストの大きな手で触れられた瞬間、身体がこわばり硬くなるのですが、なおも力を加え続けられると、徐々に緊張がほどけていきます。あたかも熱が加えられて、氷が少しずつ溶けて水になるかのように。こうして緊張から弛緩へと移行するにつれ、セラピストとの間にあった壁のようなものが徐々に薄らいで二つの体がなじみはじめるそうです。
この時、まるで寒い冬に熱いお風呂に入った時のような心地よさがあると言います。
クライエントはセラピストの手の動きに自らを重ね合わせ、セラピストはクライエントの動きに自らを重ね合わせる。緊張がほどけていくなかで、お互いの動きを拾い合うような関係が「A.互いの動きを〈ほどきつつ拾い合う関係〉」になります。
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今回は「「リハビリの夜」を読む その2」です。
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「リハビリの夜」を読む!(その2)2013/2/23
著者の熊谷先生は小児科医です。脳性まひを持っており、幼いころからリハビリや療育を受けてきました。ご自身の体験を踏まえ、「規範的な体の動かし方」「運動というもの一般」といったことを問い直しています。
まず最初に、「第二章 トレイナーとトレイニー」から見てみたいと思います。以後、トレイナーをセラピスト、トレイニーをクライエントと置き換えて書きます。
ここでは、セラピストとクライエントの関係性のあり方が以下のように分類されています。
A.互いの動きを〈ほどきつつ拾い合う関係〉
B.運動目標をめぐって〈まなざし/まなざされる関係〉
C.クライエントの体が発する信号を拾わずに介入される〈加害/被害関係〉
次回以降で、これらについて見ていきたいと思います。
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