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CAMRの基礎知識 Part1「探索」その2

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「CAMR Facebookページ回顧録」のコーナーです。
今回は「CAMRの基礎知識 Part1「探索」その2」です。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆



CAMRの基礎知識 Part1「探索」その2 2014/3/30
「探索に始まり、探索に終わる!」



 従来的アプローチでは、評価というのは人の運動を細かな部分に分けて見ていきます。たとえば歩行を見る時、座位での膝伸展筋や股関節屈筋の強さや臥位での股関節や膝関節可動域などを調べます。そして個々の評価を再び統合して全体像を理解しようというわけです。部分の振る舞いの総合として全体を理解しようします。これは要素還元主義と言って従来の主要な科学の基本的な枠組みでもあります。



 だけどこれは難しいことです。たとえば自動車のタイヤを個別に評価することができるでしょうか?タイヤだけを取り出して調べたところで、実際に車につけたときの操作性や乗り心地を評価できるものでしょうか?



 同様に座位で調べた四頭筋や腸腰筋の強さから歩行の様子を理解できますか?実習生や新人さんを見ていると、皆とても困惑しています。いったん目で見た姿勢や運動をバラバラの評価項目で部分部分に分解してみていきます。それで全体の動きが説明できるかというとどうも難しい。いやこれは正直僕にも難しい。



 実際何よりも問題なのは、あれだけ学生時代にたくさんの時間とエネルギーを費やして身につけたはずの可動域検査や徒手筋力検査法を臨床では使わないセラピストももたくさんいます。僕自身は必要をあまり感じない。なくても効果的な訓練は可能だし、これらは本当に僕たちに必要な技術・知識なのだろうか?



   CAMRの「探索」では、関節可動域検査や徒手筋力検査は使いません。人は全体として何ができるかできないか、と言うことを「探索」していきます。その人が望むこと、必要なことに沿って課題を設定し、それがどの程度できるか、どのように条件を変えるとできるかできないか、とかをクライエントとセラピストが協力して「探索」していくのです。(続く・・・)



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆


【CAMRの基本テキスト】

西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


【あるある!シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 著「脳卒中あるある!: CAMRの流儀」


【運動システムにダイブ!シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 他著「脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密」運動システムにダイブ!シリーズ①


【CAMR入門シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①

西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②

西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③

西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④

西尾 幸敏 著「リハビリの限界?:セラピストは何をする人?」CAMR入門シリーズ⑤


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スポーツから学ぶ運動システム(その10)

目安時間:約 5分

スポーツから学ぶ運動システム(その10)


3.新しく生まれる競技や運動課題


 今回のオリンピックではスケートボードやサーフィン、スポーツクライミングなどの新しい競技が目を惹いた。以前からの体操や新体操などでもそうなのだが、それまで想像もできない動きが現れたり、ボールがまるで身体の一部のように振る舞ったりする。これまで見たことのない体の使い方だったり、環境との関わり方である。つまり人類は常に無限に新しい体の使い方や運動課題の達成方法を生み出し続けていることになる。


 CAMRでは、これが可能なのは「課題特定的」という人の運動システムの持っている性質によっていると考えている。


 これは機械の運動システム、特にロボットと比べてみるとよくわかる。少し前にアシモというロボットが現れて世界を驚かせた。それまでのロボットは平らな床面でしか歩けなかった。少しのデコボコで簡単に転倒してしまうのである。しかしアシモは小さなデコボコに合わせて歩行を調整し、転倒しないで歩くし、障害物を避け、階段の上り下りもこなす。しかも階段昇降中に失敗して転落したりするところもやや人間っぽい(^^;) 僕も少なからず感動したものだ。「まるで人が入っているようだ」と思った。いよいよSFの世界が現実のものになるのかと期待したものだ。


 しかしそのうちに飽きてしまった。新しいお披露目があるとできることは増えているのだが、いかにも「これならできそうだ」的なものが新たに加わっている。たとえば「ダンスをする」などである。確かに重力と床面との間でバランスを調整する機能をいくぶんか持っているので、そのリソースを利用してダンスでの重心移動などもできるのだろう。そしていかにも「そのためのプログラムだけが新たに加わったな」という感じである。つまりアシモに何かさせようとしたら、アシモにできそうなことを考えてその達成のための機能を新たに加えるのである。


 つまり「決められた大きさのデコボコを歩いて、平面を走って、ボールを蹴る」ことを実現するなら、そのための最低限の機能で組み立てるのである。つまり最低限実現したいことの機能のかたまりがアシモである。そのバランス調整機能を使ってダンスもできるが、「野菜を切って」とか「スキーをして」などと言ってもできないのである。実現できる機能は、元々持っているリソースで可能なものに限られているので、プログラミングもしようがないのである。


 そういった意味で、アシモを始めとするロボットは、「機能特定的」である。その存在が、作り手の計画する「できること」の最低限必要な機能だけで組み立てられているため、アシモ自ら新たな運動スキルを生み出したり、想定外の課題を達成するすることはできないのである。できる運動というのは、最初から持っている機能によって特定されているのである。


 ところが人の運動システムは、機能特定的ではなく、「課題特定的」なのである。新しい課題が提示されると、その達成のために新しい運動機能を自ら生み出していくのである。(その11に続く)


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CAMRの基礎知識 Part1「探索」その1

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今回は「CAMRの基礎知識 Part1「探索」その1」です。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆



CAMRの基礎知識 Part1「探索」その1 2014/2/2
「探索に始まり、探索に終わる!」



 理学療法では「評価に始まり評価に終わる」と言われます。CAMRでは従来の「評価」も利用しますが、メインは「探索」になります。



 「評価」と「探索」は何が違うのでしょうか?評価はセラピストが評価項目を決め、クライエントに指示し、実施し、記録し、分析します。つまりセラピスト主導で行われます。



 この過程では、クライエントはしばしば自分自身の運動の情報から疎外されてしまいます。もちろん評価は基本的に専門知識を基に専門用語で表されるものですから、これをクライエントに分かりやすく伝えることは難しいのでしょう。



 しかしもっと問題なのは評価によって「指示し」-「従う」関係が作られることです。おまけにその情報からも疎外されてしまうので、自然にセラピストとクライエントの間には、「指示し」-「従う」関係、時には「管理し」-「管理される」関係といった一方的な関係が作られるように思います。



 CAMRでは、クライエントを「自律的な運動問題解決者」と捉えます。つまり運動状態を示す情報は、何よりもクライエント自身が知る必要があります。クライエント自身が主体で、セラピストはそのサポートに回るからです。



 また情報はクライエントとセラピストで共有する必要があります。共有することによって初めてクライエントはクライエントの立場から、セラピストはセラピストの立場から「協力して」問題解決に取り組めるわけです。



 このようにクライエントとセラピストが、クライエントの運動状態に関する情報を協力して探り、情報を共有する過程をCAMRでは「探索」と呼びます。

文責:西尾幸敏



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆


【CAMRの基本テキスト】

西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


【あるある!シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 著「脳卒中あるある!: CAMRの流儀」


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西尾 幸敏 他著「脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密」運動システムにダイブ!シリーズ①


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西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①

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脳卒中あるある!: CAMRの流儀

目安時間:約 12分

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あるある!シリーズの第一弾が出版されました!
西尾 幸敏 著「脳卒中あるある!: CAMRの流儀」
現在、出版記念の無料キャンペーンを実施しています。ぜひこの機会にCAMRのアイデアに触れてみください。



☆★☆★☆★★☆出版記念 無料キャンペーン★☆★☆★☆★☆
著者  : 西尾 幸敏、
書名  : 脳卒中あるある!: CAMRの流儀
無料キャンペーン期間: 11月26日(金)17:00~12月1日(水)16:59
☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★☆★★☆★☆★☆★☆



【はじめに】
 この本は、脳卒中の患者さんが質問してくる内容やセラピストが脳卒中患者さんを見たときに「あるある!」と感じる素朴な疑問を中心に展開されます。たとえば「なぜ麻痺側の手脚は硬くなるの?」、「どうしてまっすぐに座れないの?」、「どうして良い方の脚が出ないの?」、「分回し歩行は治さないといけないの?」といったことです。
 これらの疑問に対して、この本ではできるだけ二つの立場から答えます。一つは伝統的に学校で習う「要素還元論の立場」です。もう一つは現在の日本の学校では教えられていない「システム論」の立場です。 
 このように説明すると多くの人が戸惑います。「二つの異なった立場があるの?」ということに。
 当然ですよね。学校で一つの立場の考え方、見方だけを教えられていると、それが真実であると信じてしまうものです。「それが真実!それが正解だから、それ以外の考え方は間違い」と簡単に信じてしまいます。まあ、他に選択肢がありませんし、権威あるはずの学校でそう教えられれば、そう信じてしまうのが自然です。
 それに実際に今の状況では、学校の考え方を正解として学ばないと国家試験には受からないというのが現実です。それがこの世の中の仕組みですから。教育は権威ある立場の人々の考え方を正解として人々に伝えるものだからです。その仕組みの中では、権威ある人々の考え方が正しいものとされ、尊重されるべきものです。
 そしてそのもう一つの未知の考え方を嫌悪します。だってこれまで自分が真実だと信じ、言葉にし、同僚や後輩に誇りを持って話してきた考え方が「間違っているかもしれない」と、その未知の考え方が脅(おびや)かしてくるからです。これまた無理のない恐れであり、嫌悪です。
 しかし、世の中には様々な考え方があり、対立する考え方も存在するものです。
 中世ヨーロッパでは、キリスト教会を中心として「天動説」が真実とされました。それは神の真理であり、それに異を唱えるものは異教徒とされ、捕らえられ、考え方を矯正され、あるいは焼き殺されました。キリスト教会の考え方を真実として、それに異を唱えるものは「協会の権威を失墜させる恐れ」があるために弾圧されたのです。教会の権威を守るために恐怖が使われたわけです。
 それでも次から次に天動説に異を唱える人達が現れました。実際に自分たちで観察する天体の動きは、天動説の説明では矛盾が出るからです。人の知性は「説明の矛盾」を放っとけないようです。ガリレオ・ガリレイも「それでも地球は回っている!」と言ったとか、言わないとか・・・・
 そして最後には天動説が誤りで、地動説が正しいということになったわけです。
 少し大げさな展開になってしまいましたが(^^;)、実際に臨床に出て、いろいろな脳卒中の患者さんを見ていると、「本当に学校で習ったことは正しいのだろうか?」と思うことに出会います。「もっと他に矛盾のない説明があるのではないか?」と思ってしまいます。
 つまりその一つがシステム論の考え方です。
 むしろ考え方が一つだけというのは恐ろしいものです。「それが真実であり、それさえ理解しておけば良い」となればそこで進歩は止まってしまいます。リハビリも科学を基礎として絶え間なく議論がなされ、進歩を続けるもののはずです。ところが日本ではこの分野は一日千秋の如く変化がないのです。
 つまりこの従来の知識体系には強力なライバルが必要です。「どちらが臨床では有効か?あるいはこの場合はどちらが有用か?」という議論は、お互いを高めあうものです。そういった意味でもここでは二つのアイデアを少しだけ競わせるような流れができれば良いと思っています。読者がこれから考えていくきっかけになれば幸いです。
 とは言っても、僕は「システム論の考え方が真実である」とも考えていません。そんなことは一臨床家にとっては扱いがたいものです。僕達、臨床家にとっては、一つの理論が真実かどうかよりは、目の前の患者さんが少しでも良い状態になるのに役立つかどうかが大事です。
 そこで僕は次のように考えることにしています。
 「理論は、問題を説明し、問題を解決するための道具である」
 道具であれば、真実かどうかは関係なくなります。「スプーンは真実である」などと主張するのはナンセンスです。むしろ道具なら状況によって使い分ける方が自然です。「スプーンはすくって食べるのには便利である」ですよね。大きなお肉を食べるにはフォークとナイフは便利です。カットしてあるお肉ならフォークでも箸でもいけます。うどんはお箸かフォークが便利です。道具というのは課題と状況によって使い分けられるものです。
 つまり理論も「問題を説明し、それによって問題解決の方法を生み出す道具」として考えるのです。「この問題をより良く説明し、解決するにはどちらの理論を使えば良いか?」と考えれば良いのです。「理論が真実かどうか?」にこだわらなければ気楽なものです。そんな面倒な議論は学者さんにでも任せておけば良いのです。
 ヴィトゲンシュタインという哲学者は、天動説か地動説かはどの立場に立って物事を観察するかの違いであると言ったそうです。つまり「地球上に立って空を見上げれば天動説は正しい、太陽の上に立って空を見あげたと仮定すれば地動説は正しい」という訳です。実際、天動説の知識は大航海時代以前から自分の位置を知るためには非常に重要な道具だったわけです。
 さて、CAMR(Contextual Approach for Medical Rehabilitationの短縮形。和名は医療的リハビリテーションのための状況的アプローチ。CAMRは「カムル」と読みます)は、日本生まれのシステム論を基にしたアプローチです。
 CAMRでは、理論は道具として扱うので、学校で習う「要素還元論」の見方も「システム論」の見方も共に、「説明と問題解決の道具」として扱います。それによって、CAMRでは問題解決のための二つの道具、つまり二つの選択肢を持つことになります。このことは僕達の問題解決者としての可能性をより大きくしてくれます。解決の選択肢を二つ持つことになるのです。一つのやり方がダメでも、もう一つの方法を試すことができるからです。
 詳しくは本文で説明しましょう!
 この本を通じて皆様の臨床での問題解決能力が格段にアップすることを祈っております。
 またこの本の出版には、CAMR研究会のメンバーの協力が大きく貢献しています。特に編集の田上幸生氏の目を見張るセンスと努力によることが多いです。ここに感謝申し上げます。
                             西尾 幸敏



【目次】
脳卒中あるある! -CAMRの流儀-
目次
はじめに
第一部 要素還元論とシステム論
第1章 人は機械なのである!-学校で習う要素還元論と機械修理型治療方略
第2章 システム論と状況変化型治療方略
第二部 脳卒中、あるある!
セラピストあるある!(その1)
セラピストあるある!(その2)
第3章 あるある!その1「なぜ麻痺側の手脚は硬くなるの?」
1.学校での説明「硬くなるのは症状である」
2.CAMRの説明 「硬くなるのは運動システムの問題解決である」
3.過緊張と偽解決「問題解決が新たな問題を引き起こす」
コラム 偽解決とは?
4.硬さに対するCAMRのアプローチとは? 「硬さ(支持性)と運動性の調整」
5.「一番安定する状態に落ち着く」という運動システムの性質「自己組織化」
6.多要素多部位同時治療方略-CAMRの治療方略
第4章 あるある!その2「運動時の緊張や努力は硬さを強めるから、緊張する動作や努力するような動作は避けた方が良い?」
1.学校で教える考え方「過緊張の状態は良くないことなので避けよう!」
2.CAMRの説明「過緊張でも多様・多量に使うことで運動リソースと運動スキルの変化が起きる」
3.「運動リソースを豊富にして、運動スキルを多彩にする」-課題達成治療方略
4.「多要素・多部位同時治療方略」と「課題達成スキル治療方略」-CAMRの二つの中心的治療方略
第5章 あるある!その3「手がどこにあるかわからない。人から借りたもの、他人の手のようだ」 -因果関係にまつわる誤解について考える
1.Carr & Shephardらの報告
2.因果関係にまつわる誤解の例
3.リハビリ領域でよくある因果関係の誤解
第6章 あるある!その4「プッシャー・シンドロームって訳わかんないよね」
1.学校で教える説明「高次脳機能障害?」
2.CAMRの説明「健康時方略」
3.セラピストと患者さんが協力して作り出す「プッシャー・シンドローム」
4.正しさ幻想を捨てましょう!
第7章 あるある!その5「分回し歩行は治すべき?できるの?」
1.学校で教える説明「異常歩行である!」
2.CAMRの説明「”異常”ってどういうこと?」
3.ただし、機能的に改善できる場合が多い
4.形の変化を目標にしない-状況性という性質
コラム 「人の運動システムは機械とは全く異なる性質を持っている」
世の中、あるある!
第8章 あるある!その6「おかしい!良い方の脚が出ない・・・」
1.学校あるいはCAMRの説明
《おまけ》CAMRでよく使う評価法Auto-estimatics
1.Auto- estimatics(オートエスティマティクス)という評価法
終わりに
《参考文献》
編集後記
CAMR研究会について
著者紹介
著書


【CAMRの基本テキスト】

西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


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スポーツから学ぶ運動システム(その9)

目安時間:約 4分

スポーツから学ぶ運動システム(その9)


 一方野球の打撃を見てみると、運動はシンプルでもその状況はより多様であり、変動性も高い競技である。


 物理的環境だけを見ても、温度や明るさ、風力や風向もいつも異なっていて一試合の中でも変化することは珍しくない。打席に立っているとほこりが舞い、虫がまとわりつく。強烈に太陽が射したと思うと雲が影を落とす。小雨交じりの雨が降ると思えば強風を伴って大粒の雨が降る・・・・


 打者はバットという道具を操作する。打者は両足、あるいは片脚で安定した姿勢を作り、ボールを待つ。打撃を運動課題としてみると、「来た球を打つ」に比べて「来た球の芯を的確に捉えて打つ」となると格段に難しい運動課題になる。 さらにそのボールたるや投手が打たれまいとして、毎回、球速や回転、内外高低のコースや球種を変えて投げ込んでくるので、一球毎に異なっているのである。一瞬一瞬にどうするべきかという選択肢がとても多いのである。裏を掻いたり掻かれたりと、相手バッテリーと打者との心理戦がある。


 野手も毎回異なった場所に守っていて、守備範囲の広さや守備技能の巧拙もあり、風に流されることもあり、どこにどのように飛ぶかで安打になるかどうかが変わってくる。地面の凹凸で不規則に撥ねて、ボテボテのあたりが内野安打になることもある。かなり偶然任せのところもある競技なのである。まあ、ここが面白いところでもあるが。


 特に草野球レベルではひどいヤジもある。相手の身体的特徴を面白おかしくからかう輩がいる。草野球では「ヤジ大魔王」などと呼ばれて、「俺はヤジが上手い。センスが良い」などと調子にのっている人物までいて、ひどいものである。心理的作戦と言えばそれまでだが、スポーツでもあるので常識をわきまえて欲しい・・・ごめんなさい、つい昔を思い出して私情が入ってしまった(^^;)まあ、ヤジは脇へ置いといて・・・・


 結局野球は状況の多様性と変動性の高さのために課題達成が難しくなる競技である。


 これらのことから言えるのは、人の運動はその生まれる状況とは切り離すことはできないと言うことである。どんな簡単な動きも、多くの選択肢や突然変化する状況に出会うと、滑らかさや素早さを失い停止してしまうこともある。


 転倒という問題に出会うと、身体機能、つまり筋力や柔軟性、感覚、体力、バランスなどの身体能力の低下だけに原因を求める傾向がしばしば見られるが、まずは状況性という基本的な視点にも注意を配る必要があるのである。(その10に続く)


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