知覚システムについて考える(その3)

目安時間:約 4分

知覚システムについて考える(その3)


 そもそもトーキング・エイドを作るきっかけがありました。ある日「好きなスポーツは?」と聞くと、文字盤を指さして「テニス」と答えられたからです。あとからお母さんに尋ねると「ええ、テニスをずっとしていました」と驚きを持って答えられました。これまでも文字盤は使ったことがありましたが、あまりコミュニケーションがうまく取れなかったからです。多分指でポイントできる様になったからだろうと考えました。


 友人から4000円で買ったウィンドウズ・タブレットにアクセス・ランタイムをインストールし、マイクロソフトのアクセスで自作したトーキング・エイドソフトを入れました。今は使っていない小型のBluetoothスピーカーを接続し、家の中だったらスピーカーさえ持って歩けば、トーキング・エイドからお母さんに話しかけられる様にしたのです。声は僕自身で録音しました(^^;)


 そしてそのトーキングエイドや文字盤を使ったコミュニケーション練習が繰り返し行われましたが、どうも反応されるときと反応されないときがあるのです。全体には反応されないことがはるかに多く、文字盤を使ったコミュニケーションも結果、大きな進展がありません。


 家庭でもできるだけ文字盤を使ったコミュニケーションは繰り返されましたが、上手くいかないときがはるかに多いのです。


 文字は確かに読めるはずなのに、全く反応されないことが遙かに多い。これが問題でした。


 文字を大きくしたり、色を変えたり、配置を換えたり、文字盤までの距離を変えたりします。でも改善は見られません。指さしの動きは、正確ではなくてもある程度いつでも出ていたので、指さしではなく、実は意識レベルが低いとか意欲があまりないのではないかというのがセラピスト側の考えでした。仮面様の顔貌のことが多く、意識レベルが違っていても読み取れないだけで、実は意識レベルが細かく変動しているとか・・・いろいろの意見が出ました。でも明らかに言葉に良く反応されているときでも読めないのです。


 ではあの「テニス」と指さされたのは何だったのか?どうも判然としません。(最終回に続く)

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