CAMR超入門 よく目にする光景(その3)

目安時間:約 6分

≧(´▽`)≦
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「CAMR Facebookページ回顧録」のコーナーです。
今回は「CAMR超入門 よく目にする光景(その3)」です。



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CAMR超入門 よく目にする光景(その3)2014/1/18



 若き日の僕は、「やはり根本的アプローチだよね!」と自然に思いました。だって小さな頃からテレビを見ていると、何か事件がある度に必ず専門家が出演し、「今回の事件の原因は・・」などと解説します。ドラマでもなにか事故が起きると「あわてるな!まず何が原因かを探ることが先決だ!」などと主人公が格好良く指示したりします。社会全体で何か起きる度にまず原因を探ることが先決だ、と考える流れが自然にできているのだと思います。



 「何か問題が起きた→まず原因を探る→その原因にアプローチする」という流れです。そして原因探求が根本原因に近付くほど根本的解決が導かれると考えます。これを「原因探求志向」と呼びましょう。原因をまず探せば解決法も見つかると考えます。僕達が馴染んでいる医学はこの傾向が強く、そして実際に効果的なアプローチです。



 しかし現実にはこのアプローチが有効でない場合も結構沢山あります。人の運動もそうです。ここでは人の運動は「様々な構成要素の相互作用から生まれるから」とよく言われる理由だけ述べておきます。このような多要素が影響し合って生じる現象というものは、たとえ原因を見つけても達成不可能な目標や解決不能の状況に陥ることも多いのです。



 たとえばイジメの原因は様々なレベルで原因が求められます。社会の構造から生じる歪みとかイジメ側の家族に問題があるとか虐められる側の子の性格に問題があるとか、いろいろです。でも性格や家族の有り様を変えるなんて誰ができるんでしょう。イジメのない社会を作るなんて絵に描いた餅じゃないでしょうか?



 結局イジメをなくすのではなく、イジメに対する学校の対応に問題があったとして教育現場の改善を行ったりします。そしてマスコミもそこに焦点を当てます。そう、誰もがイジメ自体をなくすことは不可能に近いと思っているのです。原因を探ったところで解決不能だと思っているのです。



 これはリハビリの現場でも同じで、原因を探ったからといって問題解決にはつながらない。たとえば僕が若い頃には以下のような考えが流行でした。「脳性運動障害は、脳細胞が壊れて脳の機能が失われたのが原因。だから使われていない脳の部分、あるいは脳細胞の再生などを利用して、健常者の運動をモデルとして繰り返し学習する。そして健常者の運動を患者自身で再現する」とする考え方が根本的アプローチと考えられていました。確かに健常者の運動が再現できると言うことは、「麻痺がなくなる」と言うことでもあります。



 しかしこれは結局達成不可能な目標でした。60年以上「麻痺が治った」という話は聞いたことがありません。



 それどころか新たな問題が生じました。あるセラピスト達は自分の能力が足りないからと自分を責めます。また他のセラピスト達は家族や他のスタッフが協力してくれないからと他人を責めます。患者様は「間違えた運動を憶える」という理由で歩くことを禁じられたことさえあります。



 皆「アプローチが間違っている」とか「達成不可能な目標である」とは考えていないようでした。まあ、他の選択肢がなかったと言うこともあるのでしょう。また正面から、これを「解決不可能な目標」と明言してしまうこと自体、敗北と感じてしまうのでしょう。だからこれは皆口に出さない。テレビのニュースで「イジメをなくすことは不可能です」と明言しないのと一緒です。



 でもこれは敗北ではありません。もともとどんな理論にも限界があるのです。科学が万能だとか社会は必ず幸福だけの世界に進化するとか、諦めなければ夢が叶うなどの考えが幻想に過ぎないのですから。夢を夢見て現実を否定するなんて馬鹿げた話です。(その4に続く) 文責:西尾幸敏



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆



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