≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!
「CAMR Facebookページ回顧録」のコーナーです。
今回は「大森荘蔵を読む!(その5)」です。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆
大森荘蔵を読む!(その5)
因果連関が成り立つための3条件のうち、時空連続、恒常関係に続き今回は(3)それによる現象移行の必然性、について取り上げます。
時空連続と恒常関係があっても、先行現象によって後行現象が一意的に決定されるという必然性を確保できる保証はありません。前回の光の屈折で言うならば、入射角が決まればスネルの法則によって屈折角は一意的に決定されますが、光の状態には色(即ち波長)、偏光状態、強度等その他幾つかの性質があります。先行状態、即ち入射光線の色その他の状態を与えても、後行状態、屈折光線の色その他の状態はスネルの恒常関係だけでは決まらないということになります。
光の場合であれば色(波長)の分布・その各波長の強度・振動方向(偏光)・伝播方向等、物体の運動であればその重心の位置と速度・重心に対する3方向の回転速度等の規定が得られた上で(この規定をどうとるかによってまた意味が変わってくるのですが、ややこしくなるのでとりあえず流しておきましょう…)、先行現象の規定によって後行現象の規定が一意的に定まるに足るだけの恒常関係がある場合に限り、必然性が得られると言えます。
さあ、これでようやく因果連関が成立するかと思いきや…、この事態を更に複雑にする2つの事情があるそうです。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆
【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版
【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③
西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④
p.s.ブログランキングに参加しています。クリックのご協力、ありがとうございます!
≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!
「CAMR Facebookページ回顧録」のコーナーです。
今回は「大森荘蔵を読む!(その4)」です。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆
大森荘蔵を読む!(その4)
今回は因果連関が成り立つための3条件のうち、(2)恒常関係について見てみましょう。
ここでは、先行現象と後行現象の間の同一の関係の繰り返しが必要だと述べられています。現象自体、経過自体は異なっていてもいいのですが、その異なる経過における先行現象と後行現象の関係の同一性がなければなりません。
例えば、水面に無数の角度から光が入射すると、無数の方向へ屈折していきます。その一つ一つの光線は、入射角も違えば屈折角も違います。しかし、その無数の光の進み方すべてにおいて、入射角と屈折角のサインの比が一定だという関係は同一なのです(これをスネルの法則と言うそうです)。
この例では関係性が比較的明確ですが、適切な関係にさえ着目すればどんな場合でも関係の恒常性を提示できます。例えばもし入射光線がスネルの法則に従わずにてんでバラバラに屈折するとしても、入射角と屈折角を縦軸と横軸にとって方眼紙にプロットしていき、その点々を一筆書きで連続曲線で結んだならば、この連続曲線は一つの一変数連続関数で表されます。この場合も一応恒常関係が得られることになります。
そして長年の多種多様な恒常性のテストを受け、一度でも恒常性が破られたものは捨てられるという淘汰の結果生き残ったものが、今日僕たちが理解する恒常関係なのです。
しかし時空連続と恒常関係、この2つをもってしてもまだ因果連関が成り立つとは、言えないのだそうです。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆
【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版
【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③
p.s.ブログランキングに参加しています。クリックのご協力、ありがとうございます!
≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!
「CAMR Facebookページ回顧録」のコーナーです。
今回は「大森荘蔵を読む!(その3)」です。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆
大森荘蔵を読む!(その3)
大森は因果連関が成り立つための条件として3つ挙げています。
(1)時空連続
(2)恒常関係
(3)それによる現象移行の必然性
まず(1)時空連続から見てみましょう。
ある現象が起こった事情を調べることは、その現象の歴史を調べることになります。例えば、重い肺炎が快方に向かったとして、その歴史を探索します。飲んだペニシリンが消化器を通りそこの壁から血液の中に移動し、血液と共に肺の炎症部に到達し、そこで病原菌と化学結合をしてその化学的性質を変え、こんどはそれが肺の細胞との化学作用をかえて、僕たちが炎症と呼ぶ状態を正常なものにしたとします。
このように、ペニシリンの投入から炎症の消失に到る隙間のない歴史が明らかになったとき、僕たちは回復という現象を理解したと一応言うでしょう。
これは一つの時間空間的に連続した記述です。ある現象が他の現象を引き起こす、あるいは他の現象に作用を及ぼすためには、この二つの現象の間に時間上および空間上連続したつながりがなくてはならないわけです。
夜と昼の間に因果連関があるもの、漸次回転していく地球上の一地点が太陽との位置関係を漸次かえてゆくという、時空的に連続した現象の中にあるからです。稲妻と雷鳴がいずれも、雲と雲あるいは雲と地面の間の放電現象の因果連関の一部と言えるのも、それらが時間的空間的に連続しているからです。
もし時空連続がなければ、両者の間につながりを想定することは普通はできません。例えば南北戦争時代にアメリカで見られた稲妻と、昨日の夜下関で聞いた雷鳴との間に関連があるとは、通常は考えられないでしょう。
このような時空的な連続は因果連関の必要条件だといえます。しかし、これだけでは十分条件とは言えないようです。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆
【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版
【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③
p.s.ブログランキングに参加しています。クリックのご協力、ありがとうございます!