システム論の話をしましょう!(その10)

目安時間:約 6分

システム論の話をしましょう(その10)


 課題主導型アプローチで特に気になったのは、要素を直接改善する訓練(筋力増強訓練や可動域訓練など)や特に徒手的療法を、アメリカの課題主導型アプローチを提唱したセラピスト達が排斥したことです。現在の課題主導型アプローチの状況は知りません。が、2011年のDarrahの論文でも「課題を通して改善した可動域や筋力は、直接それらを改善する訓練と比べても違いはなく、むしろ実用であり無駄のない点では課題主導型アプローチの方が優れている」などという論文も見られました。適切な課題練習だけやっておけば良いと言うわけです。


 僕が実際にシカゴで見学したのも整形外科の患者さんでした。彼は苦もなく課題を達成し、繰り返していましたし、それなりに担当セラピストも効果に手応えを感じていたようです。整形疾患では失われたリソースは局所的で、適切な選択圧をかけるとリソースやスキルにそれに応じた変化が起きるということでしょう。


 ところが脳性運動障害に場面を移すと、ことはそんなに簡単にはいかないということは容易に想像がつきます。重度になればなるほどできる課題は限られてきて少々条件を変えても、できる事はあまり広がってこない。たとえば軽度の脳性運動障害者であれば適切な運動課題をすると、尖足歩行が足底をつけた歩行に変化し、安定するなどの改善が見られます。しかし重度者では変化が見られません。麻痺で筋力や柔軟性というリソースは激減し、アクティブな運動をしても変化しません。できる課題が限られているし、それらを繰り返しても大きな変化は見られないのです。


 そこでたとえば上田法を実施し、体幹の可動域を改善した後では運動課題実施に明らかに変化が見られます。運動範囲や重心の移動範囲が広がり、それまで見られなかった動きが見られるようになり、新たな動作ができるようになることもあります。


 また整形疾患においてもマニュアル・セラピーで痛みを改善すると、力も出やすく動きが良くなりますし、精神的な変化も大きいです。どうも徒手的療法や要素的な訓練も併用するべきではないか、利用は推奨するべきではないか、というのが一般的な臨床家の経験ではないでしょうか? 課題主導型アプローチが徒手的療法などを排斥した理由は二つあると思います。


 一つは多くのセラピストが「ハンドパワー」のような非科学的な幻想を徒手的療法に抱きがちであることを、当時のシステム論を提唱したセラピスト達が忌み嫌っていたこと。これについては1991年に発行されたⅡSTEPのproceedingsに明確な記述があります。


 もう一つがテーレンらの研究が「正常発達」に関するもので、健常児を対象にしたものだからです。健常児は豊富な運動のリソースを持っています。また動作を通して筋力や柔軟性のリソースを自分で増やすことができるし、自分にとって価値のあるリソースを見つけ出すスキルも十分に持っています。そんな子どもたちの運動変化を見ていくと、いざりの様な一つの運動に囚われ頑固な状態であろうと、強い選択の圧力をかければ必ず運動変化を起こし、這い這いや歩行に移行します。それは健常児がそのように変化できるような豊富なリソースと多彩なスキルの基礎を持っているからです。


 そしてテーレンらの研究ではリソースの貧弱な障害児は対象ではなく、一切触れられていません。テーレンらが語っているのは健常児の運動システムの作動の原則なのです。この健常児の原則をそのまま重度の脳性運動障害達にも当てはめてしまったのではないか、と考えられます。重度の脳性運動障害では、運動に非常に重要な筋力などのリソースが多く失われています。これではいくら課題を変化させ、選択圧をかけても変わりようがないのです。初期の課題主導型アプローチでは、長所ばかりに焦点が集まり、この点に対する配慮がなかったのだと思います。(現在の状況は知りませんが^^;)リソースが貧弱な障害では要素を変化させる、あるいは新たに環境リソースを持ち込むタイプのアプローチが重要になるというのがやはり一般的な経験でしょう。


 実はドイツに3回ほど上田法講習会の講師として行ったことがあります。その時もドイツに紹介された課題主導型アプローチについて、知り合ったセラピスト達が反感を持っていました。


 反感のポイントは「徒手的療法を排除するのはシステム論からの必然の帰結なのか?」と言うことです。もちろん違いますよね。システム論のアプローチなら、状況を変化させることが目標となりますが、逆に手段は特定していません。徒手的療法で変化が起きるなら当然利用するべきです。


 先に述べたように当時のアメリカのセラピスト達の徒手的療法に対する偏見が働いていたのだと思います。ちょうどコロナ以前に「マスクは医療職以外には効果はない」と述べていたアメリカのCDCの公式見解のように、科学的な装いをしていても、実際にはマスクに対する文化的偏見にバイアスされたのと同じではないか?同様にテーレンのような科学の徒の研究を基にしていても、個人の価値観という偏見が載っかってきたのではないか?・・・とはいえ、それが人間というものなのでしょう、注意しながら進むだけです。


 さて、次回から「内部の視点から運動システムの作動を見るアプローチ(CAMR)」の紹介です。(その11に続く)

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システム論の話をしましょう!(その9)

目安時間:約 4分

システム論の話をしましょう!(その9)
 さて、こんどはアメリカの課題主導型アプローチの実際の問題について伝えておきたいことがあります。



 1991年の2月の凍てついた朝、僕はアメリカのシカゴの整形外科クリニックを訪れました。当時この最新の「課題主導型アプローチ」の現場を見学させてもらえることになったからです。



 僕が見たもの。まずセラピストは患者に課題を出して、その内容を詳しく説明し、話し合います。そして患者を訓練室に残し、自分はさっさと机に引き上げ、コーヒーを飲みながら患者の様子を見ているのです。



 セラピストが僕に向かって説明します。「患者に必要なのは適切な課題だ。課題達成経験を繰り返し、更に次のより困難な課題に挑んでを繰り返すことで課題達成能力や適応力が改善していく」みたいな。(英語の苦手な方なら分かると思いますが、その場の状況と聞き取れる単語から想像するしかないのです(^^;それにこのアイデア自体は本で勉強していたので)



 「なぜセラピストは彼のそばを離れる?」と聞くと「彼は実生活では1人で課題達成の方法を見つけなければならない。セラピストがそばにいてセラピストの助けを借りる状況は彼の助けにならない。彼は試行錯誤を通じて1人で課題を達成する方法を身に付けた方が良いし、実際に身に付けることができる」と答えたように思います。(英語力の不足もあり、あまり正確ではありません(^^;)



 「従来の徒手による可動域訓練は?」と尋ねると「課題を通して必要な身体の構成要素は改善されていく。あの方は足関節が硬いが、両手で支えながら不安定板に乗ることで痛みなく必要な可動域も筋力も改善されていく」といった説明でした。(英語力の不足もあり、以下同文(^^;)



 僕はきつねにつままれたように感じました。こんなのが最新の訓練なのか?



 僕は悶々としました。別にセラビストがいても問題ないじゃないかと思ったのです。自己組織化されるものなら、セラピストがいればそれなりの、いなければ自然に別のやり方が組織化されるだけ。正常歩行を勧めるセラピストのそばではできるだけ分回しを押さえようとするけれど、1人の時は盛大にぶん回し歩行をする患者さんなどがその良い例です。状況に応じて変化する訳だから。(でも英語しゃべれないから伝えられない(^^;)



 あるいは親に手伝ってもらって泳ぐようになったり、自転車に乗ったりするのと同じことではないか?親に手伝ってもらったから、次から親がいないと泳げないという理屈と同じではないか。運動システムは一度泳ぐようになると、泳げなかった頃には戻れないのです。セラピストはそういうことには関係ないのでは?



 それに課題を出すだけならセラビストのリソースとしての価値はあまりないのではないか、などとも感じました。セラピストならではというか、一人の人間としてももっと意味や価値があるはず・・・・でも英語しゃべれないから以下同文)



 もしかしたらこれは課題主導型アプローチそのものというよりもそのセラピスト個人の問題かもと思っています。ただこれが初めての課題主導型アプローチとの出会いだったので、印象が良くなかった・・・・という、単に世間話になってしまいました(^^;)誰か実際のところを教えてくださると助かります。漠とした話で申し訳ない。次回は課題主導型アプローチの問題についてもっと根拠のある話をしますぜ(^^;(その10に続く)

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システム論の話をしましょう!(その6)

目安時間:約 5分

システム論の話をしましょう(その6)
 さて、2番目の分類は「外部から作動を見るアプローチ」です。この代表的なものの一つが「課題主導型アプローチ(Task Oriented Approach 以下TOAと略す)です。このアプローチの基礎となっているのがテーレンらの動的システム論であり、ギブソンの生態心理学です。



 テーレンらによる動的システム論は外部から観察される姿勢や運動の基になっている運動システムの作動を物理学の枠組みから理解しようとします。動的システム論には、自己組織化、アトラクター、コントロール・パラメータ、多重安定性など多くの魅力的なアイデアがあります。これらのアイデアは僕たちが臨床経験を通じて漠然と感じていた運動システムの性質やいくつかの特徴的な運動状態を明確な言葉で表して理解を助けてくれると感じています。



  さて、前回システム論は作動に焦点を当てていると述べました。つまりテーレンらは研究を通して「運動がどのように生まれ、維持され、変化していくか?」といった運動システムの作動を明らかにしているわけです。



 テーレンらは心理学者ですが、正常運動発達を研究しました。それまでは一般に脳の中に正常発達の設計図があり、これに沿って運動発達が起こると考えられていたのですが、テーレンらは数々の研究から運動発達(運動の変化と安定)はあらかじめ決められた設計図はなく、様々な要素の相互作用から自己組織的に起きていると示したわけです。



 もう一つ、生態心理学はアフォーダンスで有名なJJギブソンによって始められ、エレノア・ギブソン(以下、EJギブソンと略す)やエドワード・リード、日本では佐々木正人といった魅力的な心理学者達がいます。テーレンもその著書でエレノア・ギブソンに大きな影響を受けたと書いています。



 生態心理学も脳が感覚を入力し、脳の中に世界像を作り、そしてそれを基に出力つまり運動をコントロールするというそれまでの脳が中心の常識的な考えを否定します。そうではなくて、脳は単なる調整役だというのです。たとえ神経系のない生物でも環境と出会い、うまく関係を築いています。元々そのような能力は生物が本来持っているものです。もちろん神経系はより高度に世界と関係作りをするために役立っているわけですが、それでも進化上は神経系は後から生物に乗っかってきたものです。



 それに知覚とは動くことと言います。動くことによって動物にとっての必要な情報が知覚できる訳です。・・・まあ、そんな感じです。



 テーレンらもギブソンらも心理学者ですが、運動を通して運動変化や知覚、認知のことを研究します。デカルト以来の西欧社会の思い込みの一つである心身二元論(機械の体とそれに乗っかっている心の二つが存在している)の伝統を否定しているのです。あるいは人の体を機械に、脳をコンピュータのように喩えることが間違いだと。生物は機械とはまるっきり違った存在だというあたりが基本になります。
(これらのアイデアについてはここでこれ以上説明することは控えます。正直、僕は未だにわからないことが多いのです(^^;特にアフォーダンスは苦手(^^;詳しく知りたい方はイラストのお薦めの文献に当たってください)



 さて、この両者を基にして生まれた課題主導型アプローチは、またまた僕流に間違いを恐れずに言ってしまえば、以下のようなアプローチです。「運動は適切な課題を繰り返すことによって徐々に課題達成に向けて調整される。つまり運動は課題によって生まれ、成熟する。従って患者にとって必要な課題と課題の実施環境条件を提供することがセラビストの仕事である。セラピストは課題と実施環境を調整し、工夫し、患者にとって相応しく進化させ、提案することで患者にとっての必要な運動適応能力を改善していくことができる」のです。 まあ、このような理論的な説明は往々にして僕たち臨床家には届きにくいものです。臨床家にとっては実際にやってみることでしか、有効かそうでないか実感できないものです。



 実際、僕自身は臨床でやってみて「素朴なシステム論的アプローチ」の有効さに気づきました。そしてこんどはこの「セラピストが患者に『課題』と『実施条件』を通して訓練する」ことを意識して実施して経験してみることにしました。理論というアイデアの「問題解決の道具」としての有効性を自分自身で試してみたのです。そうすると臨床で自分や周りからの経験だけでは学べないような様々な視点に自然に気がつくようになったのです。(その7に続く)

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システム論の話をしましょう!(その5)

目安時間:約 4分

システム論の話をしましょう(その5)
 前回は「素朴なシステム論的アプローチ」というアイデアを説明しました。これは真面目に経験を積み重ねたり、センスの良いセラピストなら自然に到達することができるシステム論的なアプローチです。今回からは「外部から作動を見るアプローチ」を紹介します。これは科学的研究に基づいており、もう個人の臨床経験だけでは到達するのは困難なレベルとなります。



 さてその話を展開する前に、しつこいようですがもう一度、僕たちが学校で習っている視点を振り返ってみます。これからシステム論への理解を深める上で大事なことなのです。



 僕たちが運動システムを理解すると言うことは、外部から姿勢や運動の形とその変化を見ていきます。そして目に見える構造と働き(筋や骨、関節、その他の内臓など)に姿勢や運動の形の変化を結び付けて理解するのでしたね。



 一方システム論では、外部から観察される姿勢や運動の変化を身体構造に結び付けるのではなく、運動システムの作動に結び付けるわけです。つまり運動はどのように生じ、どう維持され、問題はどのように生じているかという視点で運動や運動変化の状態を見ていくわけです。前回素朴なシステム論的アプローチの第二段階で、身体が環境などと相互作用して慢性痛の安定した状態にある述べましたが、これはまさしくシステムの作動によって生じた状態を見ているわけです。



 僕たちが学校で習っている視点(要素還元論)とシステム論の一番異なっているのはこの点です。要素還元論では運動問題が起きると、目に見える構造や要素(筋力や柔軟性など)に原因を求めます。しかしシステム論では構造や要素より運動システムにどのような作動が起きてどのような状態が生まれているかを見ていくのです。つまり様々な要素の相互作用の結果生じているのはその状況だからです。まあ作動を見ていくのですが、作動自体は見えないのでその結果として起こる状況や状況の変化を見ていくことがシステム論の特徴です。



 もっと言えば要素還元論では、問題が起きるとwhy?(なぜ?)と問を立てて要素や構造に原因を探し、その原因となっている要素や構造を何とかしようとします。



 一方システム論では問題が起きるとhow?(どのように?)と問いを立て、どのような作動、つまりどのような状況で問題が起きたかを探るのです。問題解決は問題が起きるその状況を変化させる、つまり別の良い結果が出るような状況変化が起きる様に試行錯誤をすることになります。(これについての詳しい説明は拙書「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版 をご覧ください)



 結局システム論と要素還元論との根本的な違いは、説明の焦点をシステムの構造に当てるか作動に当てるかの違いであると言えるのではないかと思います。



 素朴なシステム論的アプローチにおいても、やり手のセラピストたちは言葉にはならなくても、システム論的な視点を経験を通して身に付けているわけです。そしてしばしば要素還元論とシステム論の視点を行ったり来たりしながら渾然とした思考の中で問題解決をしているわけです。



 さて、この点を踏まえて次回から「外部から作動を見るアプローチ」を具体的に説明します。この代表的なアイデアは「動的システム論」や「生態学的アプローチ」とそれを基にした「課題主導型アプローチ」になります。(その6に続く)

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システム論の話をしましょう!(その4)

目安時間:約 4分

システム論の話をしましょう(その4)
 「多要素多部位同時変化方略」は痛みだけでなく他の様々な障害の治療でも有効になります。たとえば尻餅転倒を繰り返す場合は、観察してみて「後方重心である」と気づくと、身体各関節の状態や全体のアライメント、筋力のアンバランス、痛み、基礎疾患などの全身の多要素の影響を考え、できる範囲で同時にアプローチしたりします。



 先の慢性痛の話に戻りましょう。この「多要素多部位同時変化方略」によって以前より効果的に痛みにアプローチできるようになったのですが、それでも慢性痛の患者さんは繰り返しセラピストの元に通ってくるのです。それは患者さんが完全な治癒を求めたり、あるいはまた我慢できなくなるほどの痛みを繰り返し経験するからです。



 そこでセンスの良いセラピストならさらに次の段階に進みます。「そもそもどうしてこの方は短期間に体を硬くして痛みの原因を作ってしまうのか?」どうも生活習慣や環境、仕事内容に関係がありそうです。こうして運動システムに関わる要素群は身体に限定されないで、環境や習慣、性格、教育、文化・社会の価値観にまで広がっていきます。



 実際詳しく調べてみると仕事で同一姿勢を長く保持したり、プライベートでもテレビゲームで時間を費やし、ほとんど運動習慣がなかったりします。これでは痛みを繰り返してしまいますよね。そこでこんどは多要素多部位への徒手療法に加えて、アクティブな運動課題をホームワークとして出したり、痛みが発生する機序を詳しく説明したり、椅子や机、照明などの環境を改善したり、痛みを改善するには「手頃な運動習慣を持つこと」を勧めたりするようになります。



 これが素朴なシステム論的アプローチの第二段階になります。第二段階では運動システムを皮膚に囲まれた身体に限るのではなくなります。運動システムとは、身体と物理的環境や社会・文化的な環境と相互作用する大きく複雑な関係性の上に成り立つシステムであると考えるようになるのです。(実際に言葉として意識している人は少ないと思いますけどね)



 最初の段階(身体各部位・各要素が相互作用し合う)、第2の段階(身体は環境内での多様な要素と相互作用し合う)のこの二つの認識を基にしたものが「素朴なシステム論的アプローチです。



 たとえシステム論を習っていなくても真面目に考えているベテランやセンスの良いセラピストはこのレベルに自然に達するものです。「たくさんの要素が相互作用し合って痛みが生じ、その痛みの状態は安定している。だから痛みの安定した状態をまず壊すには?」という視点に自然に気がついているのです。結構周りから「やり手」と思われているセラピストは、言葉にはならなくてもこのような幅広い視点と学校で習ったのとは異なる治療法略を自然に身に付けているものです。



 さてCAMRではむしろここがスタート地点となります。ここから先に進むには科学的・哲学的な視点も必要になってくるので経験だけでは到達できないレベルとなります。(その5に続く)


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システム論の話をしましょう!(その1)

目安時間:約 3分

システム論の話をしましょう!(その1)
 システム論と一言で言ってもいろいろなものが存在します。様々な視点、様々な枠組み、様々な分野・目的などから生まれてきているからです。



 システム論を説明するために使われる有名なマトゥラーナの3つの分類、第一世代(動的平衡系)、第二世代(自己組織化)、第3世代(オートポイエーシス)ですが、これは我々臨床のセラピストにとっては難しいですし、「それがどうした?」という感じでもあります(^^ゞそれぞれの本を読んでも物理学の用語だったり、難解なアイデアが続々と出てきて読むのも嫌になってきます(^^ゞ



 かといってせっかくの面白そうなアイデアがあるのに僕たちの仕事に応用・利用できないのも悔しいですよね。だからここでは思い切って、自分なりの理解で、日常生活用語で、そしてシステム論を臨床で応用できるように興味のあるアイデアを取り出し、簡潔にまとめてみようと思うのです。つまりシステム論を臨床で僕たちの問題解決に使える道具として、簡単にまとめてみようと思っています。まあリハビリのセラピスト向けのシステム論の地図を作ってみようというのがここでの試みです。



 もちろんそのためには正確さや詳しさは多少なりとも犠牲になります。まあ現場ではデフォルメと簡略化された手書きの地図の方が道案内に役立つこともあるわけです。つまり詳しすぎる精緻な地図は現場で移動しながら目的地を探したり、現地で照らし合わせるのが大変だからです。目的に合った地図が必要と言うことですね。だから部分的に必要なアイデアを取り出して簡略なセラピスト向けの地図を作ってみるのも現場では大いに役に立つと思います。



 さてここで使われるのは西尾の分類(未発表)です。以下の通り。

  1. 素朴なシステム論的アプローチ
  2. 外部の視点から運動システムの作動を見るアプローチ(課題主導型アプローチ)
  3. 内部の視点から運動システムの作動を見るアプローチ(CAMR)

 どうかいろいろな意見や感想を頂けるとありがたいと思います。(その2へ続く)

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CAMRとは?(その3)

目安時間:約 3分

≧(´▽`)≦
みなさん、ハローです!


さて、前回は「ある現象をより本質的に理解するためには、多様な視点からみて、多様な関わり方をした方が有利である」ということを確認しました。

CAMRでは従来的なリハビリとは異なる視点を提供しています。だからといって、従来的なリハビリの視点を否定しているわけではなく、それはそれで有用なものとして状況に応じて使えばよいと考えます。

CAMRでは、プラスアルファの視点を提供しているわけです。なぜなら、前回確認したように多様な視点を持っているほうが有利だからです。

それでは、CAMRの視点を紹介していきましょう。

まずは運動を考える際の背景理論についての視点です。従来的なリハビリでは「要素還元論」が土台になっていますが、CAMRでは「システム論」を基にしています。

人の運動というのは、たくさんの要素が関わった非常に複雑な現象ですので、これを全部まるごと一気に理解することは、とても困難な作業になります。

そこでどうするかと言うと、全体をいくつかの要素に分解して、それぞれの要素について調べていく、というやり方をとります。これが「要素還元論」の考え方です。

要素還元論は、リハビリ分野のみならず一般社会においても主流のパラダイムで、科学の発展や産業革命にも寄与したと言われる、非常に強力で有用なものです。

しかし、そんな要素還元論も万能ではありません。人は機械ではないので、単純に個々の要素を組み合わせて全体の出来上がり、というわけにはいきません。全体の振舞いは、単純に部分の振舞いを足し合わせたものとは異なる場合もあるのです。

そこで登場したのが、「システム論」という視点です。システム論では、その時その場の状況によってシステムの構成要素も増減しますし、さらに個々の要素のみならず、要素間の関係性までも考慮します。

アメリカで生まれた課題主導型アプローチも、この「システム論」を基にしています。

しかし、CAMRは課題主導型アプローチの範疇にはとても収まりきらない、多くの特徴を持っているということは以前述べた通りです。

続く・・・

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