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みなさん、ハローです!
さて、原因解決アプローチが効力を発揮できる「ある条件」とは何でしょうか?
大きくは二つあげられると思います。
一つは、「原因と結果の因果関係が明確な場合」が考えられます。
といいますか、この因果関係が明確でなければ、そもそも原因解決アプローチは成り立ちません。問題の原因を探し出して、その原因を改善することがこのアプローチの売りですので。
しかし、僕たちが日常経験する諸々の問題においては、明確な因果関係を想定できることというのは、実はそれほど多くありません。
多くの問題は、複数の原因らしきものが複雑に絡み合って明確に原因を特定できなかったり、そもそも原因がわからないといったこともよくあります。
特に対象とするもののシステムや仕組みがよくわかっていない場合には、単純に因果関係を想定することが難しいと言われており、ともすると間違った因果関係を想定してしまうことさえもあり得ます。
このことを説明するときに僕たちがよく引用する例を以下に紹介します。マトゥラーナ、ヴァレラ著「オートポイエーシス-生命システムとはなにか」という本の巻頭言にビアが挙げている例です。
例えば、今まで自動車を見たことがない人がいたとします。
ある時その人の前で自動車が止まって動かなくなりました。するとドライバーが出てきて、ボンネットのふたを開け、ラジエータに水を入れました。しばらくすると再び自動車は動き出して、その人の前から走り去っていきました。
この場面を見てその人は、「ああ、あの人を乗せて走る金属の物体は水で動くんだ!」と思ってしまうかもしれません。
といった感じなのですが、いかがでしょうか?
僕たちは自動車の仕組みを良く知っているので、この場面を見ても「自動車が水で動く」という因果関係は想定しません。自動車がガソリンで動くことは当然のこととして知っています。
この場面では、きっとラジエータ液が不足してオーバーヒートを起こしたので、ラジエータに水を補給したのだろう、と想定するでしょう。
しかし、自動車のことをまったく知らない人がこの場面を見たらどうでしょうか?
その人が見たものはまさに、「自動車が止まる」→「水を補給する」→「再び自動車が動き出す」という場面なのです。
「自動車が水で動く」と判断してしまうのも無理はないかもしれませんね。
さあそれでは、人の運動に関してはどうでしょうか?
実は人の運動システムについては、まだよくわかっていないことがたくさんあります。よくわかっていないシステムにおいて安易な因果関係を想定すると、間違えてしまう可能性がある、ということは理解しておいていただきたいと思います。
続く・・・
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