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みなさん、ハローです!
さて、前回は「ある現象をより本質的に理解するためには、多様な視点からみて、多様な関わり方をした方が有利である」ということを確認しました。
CAMRでは従来的なリハビリとは異なる視点を提供しています。だからといって、従来的なリハビリの視点を否定しているわけではなく、それはそれで有用なものとして状況に応じて使えばよいと考えます。
CAMRでは、プラスアルファの視点を提供しているわけです。なぜなら、前回確認したように多様な視点を持っているほうが有利だからです。
それでは、CAMRの視点を紹介していきましょう。
まずは運動を考える際の背景理論についての視点です。従来的なリハビリでは「要素還元論」が土台になっていますが、CAMRでは「システム論」を基にしています。
人の運動というのは、たくさんの要素が関わった非常に複雑な現象ですので、これを全部まるごと一気に理解することは、とても困難な作業になります。
そこでどうするかと言うと、全体をいくつかの要素に分解して、それぞれの要素について調べていく、というやり方をとります。これが「要素還元論」の考え方です。
要素還元論は、リハビリ分野のみならず一般社会においても主流のパラダイムで、科学の発展や産業革命にも寄与したと言われる、非常に強力で有用なものです。
しかし、そんな要素還元論も万能ではありません。人は機械ではないので、単純に個々の要素を組み合わせて全体の出来上がり、というわけにはいきません。全体の振舞いは、単純に部分の振舞いを足し合わせたものとは異なる場合もあるのです。
そこで登場したのが、「システム論」という視点です。システム論では、その時その場の状況によってシステムの構成要素も増減しますし、さらに個々の要素のみならず、要素間の関係性までも考慮します。
アメリカで生まれた課題主導型アプローチも、この「システム論」を基にしています。
しかし、CAMRは課題主導型アプローチの範疇にはとても収まりきらない、多くの特徴を持っているということは以前述べた通りです。
続く・・・
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さて、従来的なリハビリとCAMRの決定的な違いは、「視点」ということでしたね。
それでは一体「どう違うのか?」というところが気になると思います。でも、ちょっと待ってくださいね。その前に、まずは異なる視点を持つことの意義について考えてみたいと思います。
例えば円錐形の物体があるとします。
この物体を真横から眺めると三角形に見えますが、真上から眺めると円形に見えます。視点が異なると見え方も異なります。
ん?「そんなの当たり前」ですって?
そうです、当たり前のことです。だから僕たちは、ある物体の形を視覚的に認識するとき、いろいろな角度から眺めまわすということを当たり前にやっています。その方が、より正確にその物体の形を認識できることを知っているからです。
実際には形だけを認識しようとすることは少ないので、その物体を理解するために、触ってみたり、コンコン叩いてみたり、臭いをかいでみたり、場合によっては放り投げてみたり、噛んでみたり、ペロペロなめてみたりするかもしれません。
より多様な関わり方をした方が、より本質的にその物体を理解できるということを知っているからです。
そしてこれは物体の理解だけに留まらず、あらゆる現象の理解においても当てはまります。
この点はみなさんご同意いただけることと思いますが、いかがでしょうか?
それでは再確認しておきますね。
「ある現象をより本質的に理解するためには、多様な視点からみて、多様な関わり方をした方が有利である」
これが異なる視点を持つことの意義です。ある一つの視点からみただけでは、その現象の本質的な理解に至らなかったり、間違って理解してしまう可能性があるのです。
ちょっと想像してみてください。もし円錐形の物体を見て、一つの視点だけからの情報で「これは平面的な三角形だ」と信じて疑わない人がいたら、どのように感じるでしょうか?
続く・・・
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さて、まず最初はCAMRをご存知ない方のために「CAMRとは?」というところから書いてみたいと思います。
CAMRというのは、「Contextual Approach for Medical Rehabilitation」の頭文字をとったもので、日本語に訳すと「医療的リハビリテーションのための状況的アプローチ」となります。
CAMRという治療アプローチは、理学療法士の西尾幸敏によりシステム論をベースにして構築されました。システム論というと「ああ、課題主導型アプローチを生み出した背景理論だね」と思われる方も多いと思いますが、CAMRにはその範疇に収まらないとてもユニークな特徴があります。
従来的なリハビリと何が違うのかといいますと、ズバリ「視点」が決定的に異なります。
どう違うのか、という点についてはこれから書いていきますので、どうぞ楽しみにしておいてくださいね!
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