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知覚システムについて考える(その1)

目安時間:約 4分

知覚システムについて考える(その1)


 学校では感覚系は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などとモダリティ毎に独立した感じで習ったと思います。


 しかしアフォーダンスを提案した生態心理学のギブソンはそれぞれの感覚は独立したものではなく、それぞれが互いに緊密に結びついていて一つの知覚システムとして理解するべきだと言っています。


 たとえばベルンシュタインがわかりやすい例を挙げていて、人の眼球を動かない様にすると、見ている対象の次元、大きさ、形や対象までの距離などもわからなくなるそうです。つまり対象を網膜の中心に据えたり、焦点を合わせたり、輪郭をなぞる眼球周囲の筋群の活動に伴う筋感覚も見えの知覚に参加して、これによって形や大きさや対象までの距離などがわかるのだと言うのです。


 つまり見るにしても聞くにしても触る、味わうなどにしても常に全身の筋群でそれを行っているわけです。機械の様に気温は温度センサー、見えは光学センサーなどと単独に情報を得ているわけではないのです。


 人は様々な感覚を同時に使っていろいろなものを理解しています。まあ、赤ちゃんを見ていると、見たものに手を伸ばして触って舐めて、いろいろな感覚で対象を理解していますしね。あんなイメージなのでしょうか。


 また知覚システムは、受け身ではなく能動的であるという特徴を持っています。目は単に見ているのではなく、見つめ、調べ、確認しているのです。耳も単に外界の音を流し込まれているのではなく、最も重要な音を選んで聞いているのです。


 ギブソンは、骨格とそれをつなぐ軟部組織や筋群などが一体になって構成される人の身体をボーンスペースと呼んでいます。彼の言う触覚系(筋の固有覚を含む)は、全身常に一体となって対象物を動きながら知覚し、同時に自分の体の状態も知覚しているのです。


 こうしてみると知覚システムとは、様々な感覚が緊密に連絡し合っていて単独の感覚では語れないものであり、動きながら知るシステムであり、知覚しているのは対象だけでなく同時に自分の身体のことも知るシステムであることがわかります。対象を知ることが自分の体の状態を知ることでもあり、自分の体の状態を知ることが対象を知ることでもあるのです。


 そうすると脳性運動障害後にひどい過緊張が現れることがあります。ひどい例だと全身の動きは失われ、顔は仮面様、眼球の動きも見られなくなります。となると、全身で動きながら触覚系について知るというボーンスペースが機能しなくなると思われます。つまり目は開いて見ていても、形や大きさや次元は認知できないかも・・・(その2に続く)


【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版



【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③
西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④



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大森荘蔵を読む!(その5)

目安時間:約 3分

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「CAMR Facebookページ回顧録」のコーナーです。
今回は「大森荘蔵を読む!(その5)」です。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆


大森荘蔵を読む!(その5)


 因果連関が成り立つための3条件のうち、時空連続、恒常関係に続き今回は(3)それによる現象移行の必然性、について取り上げます。


 時空連続と恒常関係があっても、先行現象によって後行現象が一意的に決定されるという必然性を確保できる保証はありません。前回の光の屈折で言うならば、入射角が決まればスネルの法則によって屈折角は一意的に決定されますが、光の状態には色(即ち波長)、偏光状態、強度等その他幾つかの性質があります。先行状態、即ち入射光線の色その他の状態を与えても、後行状態、屈折光線の色その他の状態はスネルの恒常関係だけでは決まらないということになります。


 光の場合であれば色(波長)の分布・その各波長の強度・振動方向(偏光)・伝播方向等、物体の運動であればその重心の位置と速度・重心に対する3方向の回転速度等の規定が得られた上で(この規定をどうとるかによってまた意味が変わってくるのですが、ややこしくなるのでとりあえず流しておきましょう…)、先行現象の規定によって後行現象の規定が一意的に定まるに足るだけの恒常関係がある場合に限り、必然性が得られると言えます。


 さあ、これでようやく因果連関が成立するかと思いきや…、この事態を更に複雑にする2つの事情があるそうです。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆


【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


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CAMR入門シリーズ④正しい歩き方?:俺のウォーキング

目安時間:約 5分

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みなさん、ハローです!
CAMR入門シリーズの第四弾が出版されました!


西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④



本書はCAMR入門シリーズの第四弾となります。


今回は歩行をテーマとした二部構成になっています。第一部は、シリーズ前作「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!~運動と状況性~」と似た流れで、運動の形から運動システムの作動の特徴へ、評価の視点の転換をオススメしています。


CAMRではお馴染みのアイデアですが、人の運動システムは運動の「形」を維持するシステムではありません。歩行などは良い例で、普通にアスファルトの上を歩いている時はいわゆる「正常歩行」に近い形で歩いていても、路面が凍結した場所では、少し腰を落として背中を丸めて小刻みに歩きます。あたかもパーキンソニズムでもあるかのように。


要するに運動システムは「形」などはいかように変えてでも、安全・快適な移動という課題を達成するための「働き」を維持しているわけです。このような運動システムの作動の特徴こそが、「形」の奥に横たわる本質だと考えられます。



第二部は著者の体験に基づく物語で、「課題を中心に運動が自己組織化される」というテーマが、スリリングなデュエルを通して展開していきます。膝や股関節の痛みが改善し歩行の形が変わっていく一連の過程は、僕たちの臨床にも多くの示唆を与えてくれるものと思います。



どちらも楽しく気軽に読める物語でありながら、しっかりとCAMRの考え方が盛り込まれています。


効果的な英語学習法の一つに「多読」というものがあるのですが、これはやさしい英文にたくさん触れることで英語の基本構造や仕組みの理解を促すというものです。そういった土台ができると、その後の学習がとても楽にスムーズになります。そしてこの方法論は、新しいアイデアを血肉化する際にも有効だと経験的に感じています。CAMR入門シリーズを、そんな多読用ツールとしても活用していただけると嬉しいです。



本書がCAMRの理解を深め、日々の臨床を豊かにする一助となることを願っております。引き続きCAMR入門シリーズをよろしくお願いいたします。



目次
CAMR入門シリーズ④ 正しい歩き方? 俺のウォーキング
目次
第一部 正しい歩き方?-そんなに形が大事か?
第1章 「正しい歩き方」に物申す
1.世間に広まっている「正しい歩き方」
2.個人的な事情もある
第2章 形の奥に横たわる本質を見る
1.同化思想に与していないか?
2.運動の形の評価から作動の特徴への評価へ
3.ある新人セラピストからのメッセージ
4.他人の運動を支配できる人などいない
5.とはいえ「きれいに歩きたい」という人は実際にいる
6.こんな風に伝えたい
第二部 俺のウォーキング:理学療法士らしく
第3章 俺の健康問題
1,俺の決意
2.俺の膝の物語
3.俺の膝痛対策の詳細
4.俺の股関節の物語
5.俺の狙いと方略
第4章 俺の戦い「デュエル・ロード戦記」
1.俺を襲う不測の事態
2.俺のリベンジプラン
3.俺のトレーニング
4.俺の挑戦
5.自己組織化された俺の歩き方
編集後記
CAMR研究会について
著者紹介
著書



【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版



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因果関係と相関関係の違い

目安時間:約 4分

因果関係と相関関係の違い


 片麻痺の臨床でよく出会う誤解は、「相関関係」と「因果関係」を混同することだ。たとえば「歩行がふらつくのは、立ち直り反応が悪いからだ」と言って、「立ち直り反応の促通」なるものをやっている。ここでは「立ち直り反応」が原因で、「歩行がふらつく」ことを結果とする因果関係を想定している。


 でもよく考えてほしい。どう考えても、原因は脳の細胞が壊れたことである。その結果として、マヒが出て、立ち直り反応が低下し、歩行がふらつくのである。マヒも立ち直り反応の低下も歩行のふらつきもどれも結果に過ぎない。つまり結果同士の間に因果の関係を想定しているのである。


 すると次の様な反論を受ける。「でも立ち直りが悪いから歩行がふらつくし、立ち直りが良いと歩行のふらつきもない。だから、立ち直りを良くするのだ」、と。


 でもこれは「マヒが軽いと立ち直りも良いし歩きも良い。マヒが重いと立ち直りも悪いし歩きも悪い」という相関関係を言っているに過ぎない。


 第一、「立ち直りを良くする」と言うが「立ち直りが悪くなったのは、脳の細胞が壊れて、マヒが起きているから」である。これが間違いなく因果の関係だ。だから立ち直りを良くするためには、脳の細胞を構造的あるいは機能的に再生して、マヒを治すしかないとなる。


 見ていると他動的に、つまり介助して立ち直り反応の形を真似させることを繰り返している。これで脳細胞の働きを機能的に再生し、歩行も良くなるという。でもこの理屈で言うなら、そのやり方で原因である脳細胞も機能的に再生して、マヒも治っている理屈になる。


 「でも、マヒは見た目変わらないようでも歩行は良くなる。つまり基のマヒも良くなっている」と反論されるが、別に介助して立ち直り反応を繰り返さなくても、歩行練習や他の動作練習を繰り返すと、人の知覚システムは使えるリソースを見つけ出し、それを有効に使う運動スキルを発達させるので、マヒのある体でも自然に安定した歩行を生み出すことは珍しいことではない。歩行が良くなったからと言って、マヒが良くなっているわけではない。


 ともかく自分の頭で考えて、理屈に合うか合わないかをよく考えてほしいのです。相関関係を因果関係のように考えてアブローチするのは間違いだと言うことを。



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大森荘蔵を読む!(その4)

目安時間:約 3分

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「CAMR Facebookページ回顧録」のコーナーです。
今回は「大森荘蔵を読む!(その4)」です。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆以下引用★☆★☆★☆★☆★☆★☆


大森荘蔵を読む!(その4)



今回は因果連関が成り立つための3条件のうち、(2)恒常関係について見てみましょう。



 ここでは、先行現象と後行現象の間の同一の関係の繰り返しが必要だと述べられています。現象自体、経過自体は異なっていてもいいのですが、その異なる経過における先行現象と後行現象の関係の同一性がなければなりません。



 例えば、水面に無数の角度から光が入射すると、無数の方向へ屈折していきます。その一つ一つの光線は、入射角も違えば屈折角も違います。しかし、その無数の光の進み方すべてにおいて、入射角と屈折角のサインの比が一定だという関係は同一なのです(これをスネルの法則と言うそうです)。



 この例では関係性が比較的明確ですが、適切な関係にさえ着目すればどんな場合でも関係の恒常性を提示できます。例えばもし入射光線がスネルの法則に従わずにてんでバラバラに屈折するとしても、入射角と屈折角を縦軸と横軸にとって方眼紙にプロットしていき、その点々を一筆書きで連続曲線で結んだならば、この連続曲線は一つの一変数連続関数で表されます。この場合も一応恒常関係が得られることになります。



 そして長年の多種多様な恒常性のテストを受け、一度でも恒常性が破られたものは捨てられるという淘汰の結果生き残ったものが、今日僕たちが理解する恒常関係なのです。



 しかし時空連続と恒常関係、この2つをもってしてもまだ因果連関が成り立つとは、言えないのだそうです。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆



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