CAMRの基礎知識 Part1「探索」その1

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今回は「CAMRの基礎知識 Part1「探索」その1」です。



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CAMRの基礎知識 Part1「探索」その1 2014/2/2
「探索に始まり、探索に終わる!」



 理学療法では「評価に始まり評価に終わる」と言われます。CAMRでは従来の「評価」も利用しますが、メインは「探索」になります。



 「評価」と「探索」は何が違うのでしょうか?評価はセラピストが評価項目を決め、クライエントに指示し、実施し、記録し、分析します。つまりセラピスト主導で行われます。



 この過程では、クライエントはしばしば自分自身の運動の情報から疎外されてしまいます。もちろん評価は基本的に専門知識を基に専門用語で表されるものですから、これをクライエントに分かりやすく伝えることは難しいのでしょう。



 しかしもっと問題なのは評価によって「指示し」-「従う」関係が作られることです。おまけにその情報からも疎外されてしまうので、自然にセラピストとクライエントの間には、「指示し」-「従う」関係、時には「管理し」-「管理される」関係といった一方的な関係が作られるように思います。



 CAMRでは、クライエントを「自律的な運動問題解決者」と捉えます。つまり運動状態を示す情報は、何よりもクライエント自身が知る必要があります。クライエント自身が主体で、セラピストはそのサポートに回るからです。



 また情報はクライエントとセラピストで共有する必要があります。共有することによって初めてクライエントはクライエントの立場から、セラピストはセラピストの立場から「協力して」問題解決に取り組めるわけです。



 このようにクライエントとセラピストが、クライエントの運動状態に関する情報を協力して探り、情報を共有する過程をCAMRでは「探索」と呼びます。

文責:西尾幸敏



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【CAMRの基本テキスト】

西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版


【あるある!シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 著「脳卒中あるある!: CAMRの流儀」


【運動システムにダイブ!シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 他著「脳卒中片麻痺の運動システムにダイブせよ!: CAMR誕生の秘密」運動システムにダイブ!シリーズ①


【CAMR入門シリーズの電子書籍】

西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①

西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②

西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③

西尾 幸敏 著「正しい歩き方?:俺のウォーキング」CAMR入門シリーズ④

西尾 幸敏 著「リハビリの限界?:セラピストは何をする人?」CAMR入門シリーズ⑤


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リハビリはADLに対して何ができるか? その4

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リハビリはADLに対して何ができるか? その4
~「割り切る」ことで活路をみいだす~



 秋山です。前回できれいに終わったので、蛇足という気もするのですが書いちゃいました。ずっとしっくりこなかったことがやっと居場所を見つけた、というところです。


 クライアントは障害を負っても自律した運動問題解決者、そして何が問題なのか、何を目標とするのかを決めるのはクライアント。この2つはCAMRの重要な出発点です。その上でセラピストの仕事は、クライアントの思いに寄り添い、運動余力を高めるとか、環境リソースの調整などをして達成のお手伝いをすることです。時には別の視点を提供したり、無理だなと思えることには代案を提示したりします。



 身体障害に対する医療的リハビリテーションに携わるセラピストとして、クライアントが「上着が着られるようになりたい」(少なくとも「着られるにこしたことはない」)と思っている場合にはできることがあります。しかし、「お父さんはできるのに家では着替えようとしない。家でもできるようにしてください」という希望に対してできることとは何でしょうか。そもそも私たちはそこに関わること自体できるのでしょうか。



 身体的な理由ならば、いくらか工夫の余地はあるかもしれませんが、クライアントの価値観に対してセラピストが直接関わることはできません。するべきものでもない。



 ADLに関して運動問題と価値観の問題とが混同していると私は思います。服の着方や食事のとり方というような動作の問題と、その人が生活の中で現実にどう実施したいと思っているのか、何を良しとするのかという問題。セラピストが自分にできることとできないことを区別しないと、ユートピアン・シンドロームに陥ってしまいます。クライアントの価値観に関わることのできるセラピストというのは憧れるかもしれませんが、一介のセラピストにそんな技量はありません。私たちはクライアントの力を信じて、「体が動けば心が動く」ことを信じて、運動余力を高め環境リソースを調整するしかないのです。



 「物の操作」という視点から、今までCAMRのサイトに出てきている課題よりも違う形の課題を通してできることはあるのですけどね。



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【CAMRの基本テキスト】
西尾 幸敏 著「PT・OTが現場ですぐに使える リハビリのコミュ力」金原出版



【CAMR入門シリーズの電子書籍】
西尾 幸敏 著「システム論の話をしましょう!」CAMR入門シリーズ①
西尾 幸敏 著「治療方略について考える」CAMR入門シリーズ②
西尾 幸敏 著「正しさ幻想をぶっ飛ばせ!:運動と状況性」CAMR入門シリーズ③


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リハビリはADLに対して何ができるのか? その2

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~「訓練が生活に活かされない」とは?~


 秋山です。ADL訓練でできても実生活でできないということがあります。病棟スタッフから「もっとリハビリでやって」と言われたり・・・。よく困りましたし困っています。でも、それは本当に"問題"なのでしょうか・・・。



 訓練でのADLと病棟でのADL、そして家でのADLは、全く別の活動です。たまたま結果が一致することもありますが、一致する必要は無いのです。同じ動作(例えば更衣とか)でも、場面(=状況)が異なれば結果が異なることもあります。



 例えば、訓練ではセラピストの監視下、時々口答指示では何とか更衣できる方が、病棟ではちょっとやって難しいと「疲れたから手伝って」スタッフ「できることは頑張ってやりましょう。もっとリハビリで指導してもらわなきゃね」と更衣が自立していないという問題になる。家では、じっと待っておけば、妻「はいはい、服着るわよ」と着せて何事もなかったかのように家事に戻り「早くご飯食べちゃってよ。片付かないから」



 訓練場面と家では状況が異なります。行為者は自律した運動問題解決者として、その状況に応じた自分なりの課題達成を図ります。セラピストが結果をコントロールすることはできません。



 では、ADL訓練に意味はないのでしょうか?いやいや、やはり私達はADLを手放してはならないのです。続く。



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リハビリは、1回20分の訓練で何ができるのか?(その1)

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今回は「リハビリは、1回20分の訓練で何ができるのか?(その1)」です。



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リハビリは、1回20分の訓練で何ができるのか?「その1」



 僕がPTとして介護保険施設で働き始めて5年が経ちました。働き始めた当初、クライエントのADL問題に関して介護スタッフから色々な質問や相談が寄せられました。どうも当施設の介護スタッフには「ADL問題の解決はリハビリの専門家の助言が絶対必要」といったイメージがあったようです。



 当然僕がそれぞれのADL問題の解決に適切に応えられる訳がありません。たとえば機能改善が余り起きない重度の方の排泄では、オムツの選択やあて方の工夫などが必ず必要になります。介護スタッフの方が元々知識もあり、生活のほとんどの場面で世話をして状態に精通し、問題解決の様々な方略を生み出しやすい立場にあります。どう考えてもADL問題の解決は、介護スタッフが専門にするべきなのです。(結果、当施設の介護スタッフは現在「ADL問題解決の専門家」として非常に頼りになる存在になっていますv(^^))



 となると実際1回20分、週数回の訓練しか行わないリハビリスタッフに何ができるでしょうか?



 僕がCAMRの普及が必要と考えている一つの理由はここにあります。1回20分をどう有効に使えるか、使うべきか?CAMRが人の運動システムの作動の性質を明らかにして、進むべき道を示してくれます。以下のようなことです。



1.人は生まれながらの運動問題解決者。セラピストがクライエントに正しい運動方法を教え、管理する必要はありません。
2.人が今よりも問題解決者として能力を発揮するために必要なのは何か?それはより十分な「運動余力」です。運動余力とは豊富な「運動リソース」を基に発展させた多様な「運動スキル」であり、それらの運動スキルを上手く組み合わせて問題を解決する「運動方略」です。そして「運動余力」の改善なら1回20分のリハビリでできるのです。いえ、リハビリこそが最も有効になしえるのです。(「その2」へ続く)



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆



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CAMRの旅お休み処 その7

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CAMRの旅お休み処 その7
「クライアントが見つけ出した運動スキルが常に問題を解決するとは限らない」2013/2/13
 先週末から3連休いただき、旅に出てきました。数年ぶりにクロスカントリースキーなぞしに鳥取県大山へ。身体痛いです。運動問題を解決すべく振る舞ったのですが、なにしろ乏しいリソースに未熟なスキルなもので・・・。



 ここでもホームページでも言われていますが、生まれながらの運動問題解決者であることは、運動問題が必ず解決することを保証するものではありません。まぁ、当たり前と言えば当たり前ですね。リソースが乏しい、スキルが伴っていないなどのために上手くいかないことがありますが、これまでの経験が新しい運動の邪魔をする、ということもあります。



 80年代に青春時代を過ごした私は、一人でリフトに乗って降りられてボーゲンでずるずる滑るくらいにゲレンデスキーをやりました。「私をスキーに連れてって」世代ですな。ところがクロカンはスキーの仕組み自体が全然違うので、同じようにやろうとするとかえって上手くできません。理屈ではわかっていても、「板で雪の上を滑る」という似通った課題のためなかなか上手く切り替わりません。運動音痴なんです、私。結局前の経験を生かすよりも、「つっかけをひこずって歩く感じで」という例えが一番ぴったりでした。


クライアントの場合も、これまでのやり方や道具の使い方の固定観念などの影響で上手くいかないことがあるのでは。それは、「こだわってる」とか「固執」とかでなく(そういうこともあるかもしれませんが)、「一生懸命やってるのに何で上手くいかないんだろう?」とクライアントも困っているのでしょう。では、どうするか?どうしましょうね?



 さあ、みんなで考えよう!



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CAMRの旅お休み処 その3

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CAMRの旅お休み処 その3
「人は生まれながらに運動問題解決者2 ~では、セラピストは?~」2013/1/24



 CAMRで言う「自律した運動問題解決者」は、セラピストに対しては道徳的なスローガンではありません。抽象的な概念を努力目標として据えているのではなく、専門職としてクライアントが主体的に動ける状況を具体的にどう作るかを問うものです。「実践から生まれ、実践に役立つ」所以です。



書いてしまうと簡単そうですが、現実には、「クライアントのために」されていることが クライアントを置き去りにしてしまっていることは少なくありません。言葉での説明だけでは不十分で、クライアントが実感できる、自分の文脈の中で腑に落ちた時に、いきいきと課題に取り組まれます。



 セラピストは、クライアントの希望に添って、しかも達成可能な課題を工夫するなど、クライアントに合わせて設定を考えます。決まり切った課題を何回も繰り返す方が楽かも・・・。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆引用終わり★☆★☆★☆★☆★☆★☆



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CAMRの旅お休み処 その2

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CAMRの旅お休み処 その2
「人は生まれながらに自律した運動問題解決者」2013/1/10



 「人は生まれながらの運動問題解決者」というのは、CAMRの中でも重要な考え方です。生きていくためには、変化する状況の中で絶えず適応的な運動をしていく必要があります。私たちは、それを普段は意識するでもなくやってのけています。新奇な課題に対しても、いろいろな手段を無意識的/意識的に使って課題を達成しようとします。



 これは身体的な障害をおった場合でも同じです。その状況で何とか課題達成しようとした結果であり、今までしていた方法や多くの人がやっているやり方と違っているとしても、異常なやり方とか間違っているととらえるものではない、とCAMRでは考えます。



 ただ、それが常に100%上手くいく解決法とは限りません。失敗したり、できたとしても非常に疲れる、ということはあります。臨床で出会う、クライアントがとても苦労して運動されてる場面ですね。



 そこで、「正しい運動方法を示して、それを練習して正しい動作を獲得させる」のではなく、元々運動問題解決者なのだから、何かを変えれば状況が変わる、運動問題解決者たりうる準備状態を整えるお手伝いをするのが状況的アプローチです。



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